光のどけき春の日に
ひさかたの光のどけき春の日に
静心なく花の散るらむ
目が覚めた瞬間、何かが浮かぶことはよくある。
しかし、百人一首が浮かんだのは初めてかもしれない。
ひらめきの新しいバージョンだ。
正確には、光のどけき春の日に、から始まっていた。
なんだったっけ?枕草子?
いや、あれは、あけぼのだ。
調べてみたら、百人一首だった。
さて、日本は桜の季節。
今年は一気に咲いて、もう満開過ぎたところも多い。
桜は毎年同じようには咲かない。
同じ木だけれど、条件によって、咲き方が違う。
それが面白い。
今年の桜は、私がこれまでの人生の中で見た桜の中で一番きれい。
花開く少し前、とても寒くて、雨が降った。
花の蕾はキュッとしまって。
そのあと、暑いくらいに暖かくなって、花が一気に咲いた。
咲いたのが早かったので、木蓮とコラボレーションしている場所もたくさん見た。
少しずつ暖かくなる中、ゆっくり開くのも花なら、冷たい雨に蕾を閉ざし、降り注ぐ太陽に一気に花開くのも花。
花の咲き方は様々だ。
蕾は、冷たい雨の中でも、花開くことを諦めたわけではなく、やがて訪れる暖かな春の日を待っていただけ。
花はいつでも、光の中で花開く。
そしていつでも、花は散る。