建物の中身

オックスフォード。
頭の中にバラバラに存在していたパーツがつながり、ものがたりになり始めた。
だいたい、いつも、何でも、バラバラにパーツで起きて、それが頭の中で繋がるまで、それらが何に関係しているのか、自分で真ん中にあるものがよくわからない。

どれが真ん中で、どれがパーツなのかが見分けがつかないのだ。
全部願いだったり、やりたいことだったり、興味があることだったりするから。

オックスフォードも、オックスフォードの話では中心だけど、これもまた、本当の中心ではない。
別のことのパーツ。

オックスフォードを考えるときは、オックスフォードを中心におくだけ。


さて。
10年前くらいに、突然やってきた建物のイメージを今もまだはっきり覚えている。

3階建ての建物。
外は茶色い木の感じ。

1階はカフェ。ケーキと紅茶が美味しい。
2階はオフィスとかサロン。
3階は不明。


当時やってたweb上の日記に書いた。
これくらいの時期に、と書いた時期は、ちょうど今の年齢くらい。


その後、私は突然、ものがたりを書き始めた。
ある架空の場所にあるカフェを舞台にした一人称で語られるはなし。
浮かぶままに書き留めて、それはまだネット上にある。
2013年で、そのものがたりは一旦、完結している。

語り手が、架空の場所から、現実世界でカフェを開き、そして、彼女に別の用事が生まれたところで。


2018年。一週間前。
なんとなく、モデルハウスを見に行った。
気づいていなかったが、これがいいと自分が言った建物は、10年前の建物とよく似ていると気がついた。
モデルハウスの中を見ながら、お店みたいとも発言していた。


昨日。

新しい場所がオープンし、オーナーが知人だったのでお祝いに行ってみたら、蚤の市をしていた。

これ、値段付け間違いじゃない?という数々が売られていた。
儲けるつもりはないということで、叩き売り状態だったのだ。
しかし、物はいいものが多かった。
オーナーのおじいさん、その場所の最初の所有者が買い集めたものらしい。

その中で、私の目は、かわいらしいティーセットに釘付けになった。

3年前、サロンを開いた時に、私はティーセットを調べ倒したことがあり、少しだけ詳しくなっていた。

私は、そのティーセットと、錫製のティーセットを買った。
帰って調べたら、100年前のものだった。

私は、アンティークは使っていた人の思いみたいなのを重く感じてしまい、苦手なのだが、それらからは全然重さを感じなかった。
ただ、丁寧に使われていたものを受け継ぐ感じ。


今日。

カフェの中身を揃えている感じだな、と、ふと思った。
ティーセットとかスプーンとか。。。

そうか。
建物は、後か、、、。

今できることは、中身か、と気がついた。

建物の中身を先に揃え、中身が揃った時、建物は「必要になる」

欲しいものは手に入らないこともあるが、必要なものは必ず手に入る。
なぜなら、必ず、要る、からだ。
必ず、だ。


物もそうだし、することもそうだし。

そして、ああ、休憩室だ、と思いだした。
私が暗躍する場所(笑)

きっと建物の1階にカフェがあると言っても、私はカフェを運営はしない。
マダムならできるけど、私に壊滅的にカフェ運営の才能がないことを、過去のアルバイト経験から、私は知っている。

それは本当にカフェなのか、カフェみたいな場所なのかもまだ不明。

でも、紅茶やコーヒーのカップは必要な場所。
人がやってくる場所。


そして、私はウキウキしだした。

建物の中身はなんだろう?揃えなくちゃ、と感じたからである。
建物ができた後は、そんな時間はないわよね、と。

とりあえず、ティーセットは買っていい。
今使わなくても、それは未来に繋がるから。


建物の中に容れるもの。
空間、仕事、人、時間、物、出来事、目的。


揃うのに時間が必要そうだな、と思った。

とりあえず、ティーセットとか食器に目を光らせていよう。
一歩進んで、楽しくなってきた。


そして、私の頭の中で話の中心は、オックスフォードからティーセットに移ったのだった。
リソースを集めて育てる段階に。