大草原の小さな家

あなた、これ着ない?

実家に帰ったら、母がワンピース二枚を見せて言った。

二枚とも清楚なワンピースだ。

「着ない」と私は言った。

母は、「教会に行く時に」と食い下がった。

私は「着ない。いつもと同じように普段着で行く」と言った。

母は、「あら、そうなの?」と、やや残念そうに言った。


私は、もう一度、ワンピースを眺めた。

そして、もしやこれは、大草原の小さな家やなと私は気がついた。

大草原の小さな家。
母が大好きだったアメリカの開拓時代のファミリードラマ。

登場人物は、少し綺麗な服を着て、日曜日は馬車に乗って、教会に行く。

母の教会は、大草原の小さな家。
どうやら娘に、教会に行くためのワンピースを用意してくれたらしい。
私にはファンシーすぎるので、着ないけど。

ローラ・インガルス・ワイルダー、もしくは、若草物語テイスト。


気持ちだけ受け取るとしよう。

それにしても、夫といい、母といい、不思議なことだ。

彼らは、なぜだか、私が教会に行く準備を整えようとする。


なんだろう。

彼らの私の扱い。
幼稚園にちゃんと通えるようにしてもらってる並のこの感じ。

わからな〜い。

とりあえず、母は、ちゃんとした服を着て教会に行かない私に、何か言いたげだった。

夫は、朝、起きれない私に何か言いたげ。

本人は寝坊したら休めばいいでしょくらいなノリなのだが。
(起こされるから、寝坊で休んだことはまだない。)


本人より、周りが、ちゃんとさせようとするこの不思議。

何が不思議って、彼らは、クリスチャンでもなんでもないことだ。
なんなのかしら、これ、いったい!