私が伝えたかったこと

リスク対策になるもの、もうひとつ。
守りたい人、大事な人を人生の中に作ること。

自分にとって、大事な人。
みんなのことを考えましょうより、それはずっと強い。

何があっても、この人のことは守るんだ、この人のことは大事にするんだ。

好きとか嫌いとか、気が合うとか合わないとか、そういう話じゃない。

すると、世の中に生きる人は、みな、誰かにとって大事な人で、誰かにとって守りたい人なんだという目線が生まれる。
世界を見る目は変わる。


結婚している人からよく聞く話は、パートナーの文句だ。

結婚していない人は、そこによく幻滅する。
けれど、その人たちが見落としがちなものがある。

それでも、文句を言うその人たちは、ほとんどの場合、相手を受容し、ほとんどの場合、相手を大事に思っていること。

大事なのだ。
好きとか嫌いの話ではない。



ここしばらくの流れの中で、私は、自分が婚活サポートの仕事を通して伝えたかったことは、結婚するとかしないの話ではないということに気がついた。


以前から、ここからの時代は、人がひとりで生きていくには少し厳しい時代になるだろうと、私は感じていた。
だから、できるだけ、1人でいさせたくない、誰か助け合える人をそばにおかせたいという話は、仕事相手にはしていた。
しんどい思いをしなくていいように、準備をさせたいと。

その時では遅いことがある。


人生の中には、よほど、家族なみの付き合いをしているのでなければ、友達には介入できない部分がある。
遊び友達は、寂しさは埋めても、生活を助けない。


そして、私たちの世代は、親世代が、近所付き合いを排除していることが多い。
専業主婦は、今でも、ある程度ネットワークを持っている節があるが、都会に住む人は、ご近所ネットワークを持たないことがほとんどだ。

SNSのネットワークは、情報は助け合えるが、細かな日常は、助けあえない。


私は、精神的な話ではない、もっと現実的な話として、人生の中に守りたい大事な人を作ることの大切さを伝えたかったのだということが、ここしばらくで、自分の中ではっきりした。


私にはひとり家族に近い友人がいる。
好きとか嫌いとかではない友人だ。
夫も、彼女のことを、私のいとこくらいに思っている。
私たちは、彼女の実家くらいのつもりでいる。

彼女が結婚するまで、彼女をお正月にひとりにしないことは、私と夫の中で決まっていた。

その私の親友が、今、結婚していてくれたことが、今、私を安心させている。
彼女のことは、何かあれば、うちで面倒を見ると夫と私は決めているが、彼女がひとりではないということが、私を安心させている。

おそらく向こうも同じだろう。


誰でもいい。
パートナーでなくてもいい。
できれば、パートナーがいい。

人生の中に、自分以外で、大事な人、守りたい人を作ることが人生にもたらすもの。

それは、面倒くさいけれど、人生のリスクをうんと下げること、豊かさを生むこと、そして、その人の周りを安心させること、そういうことを、自分は伝えたいのだと、私は理解した。

つまりは、愛とは何か?という話を、私はしたかったのだと理解した。