聖餐式(3):おっちゃんUさんの小部屋

「あのねUさん、おっちゃんUさんの小部屋っていうインスタTVやらへん?」

礼拝後、zoomを使ったワーシップをして、その片付けをしながら私は、Uさんに声をかけた。

「好きなことを喋っていいよ。喋りたいでしょ?」

「やらせていただきましょう」と、おっちゃんUさんは乗り気になった。
「あんた、私の心がようわかりますね。」


そんなもんは、誰でもわかると私は思った。
おっちゃんが目立ちたがりなのは、ここにいる誰でも知っとるわ、と、私は思った。

「でっしょ〜?」と、私は言った。


私は決めたのだ。
徹底的に、おっちゃんUさんの目立ちたがりを満足させてあげようと。

いつか、Uさんが、自分は目立つのが好きだと気づき、気づいた時には、目立ちたい気持ちがすでに満たされているように。

俳優と牧師になりたかった人が、目立ちたがりでない訳がない。

なんでも人の役に立てば、それでいい。
そして、満たされたところから始めよう、だ。


「あんた、僕に敬語を使わず、なぜだか、僕があんたに敬語やね」と、おっちゃんUさんは言った。

「ほんまにねえ」と、私は言った。

「やらせていただきましょう」と、もう一回、おっちゃんUさんは言って、満足げに帰っていった。


何もかも、私及びみなの快適な聖餐式のためである。
おっちゃんUさんが聖餐式で悪目立ちするのではなく、別のところで、目立って人を楽しませてくれればいいのだ。


聖餐式にお祈りは通じない。
儀式はどうでもよいらしい。
ならば、がんばれ、人間!

やることをやるだけだ。
私は私にできることをする。

私は、おっちゃんUさんを満たす。
徹底的に満たす。


そして、インスタTVは面白そうだ。
好奇心半分。。。