どうしてクリスチャンになったんですか?(2)

つづき。

2年半前のある日、まだ小さな猫が体調を壊した。
こほんこほんと咳をして、風邪をひいたようだった。

いつもの病院が休みだったので、最初に行った別の病院から帰って来た後、猫は、吐き出した。
泡を吐き、胃液を吐き。

朝が来て、私は、いつもの病院に連れて行った。
理由がわからず、吐き気どめと抗生物質をもらって帰った。

その日の夕方、また、猫が吐いた。
緑色の液体だった。

お医者さんから「もしも、緑色の液体を吐いたら連れてきなさい」と言われていたので、私は、再び、猫を病院に連れていった。

猫はエコーを取られて、腸がどこかおかしいということはわかった。
猫は、日に日に弱っていった。

小さな猫がかかる病気があり、それだと助からないからと、血液検査も受けた。

そして、数日後、お医者さんは言った。
「最後の手段で、手術をしましょう。今日の午後までに決めてください。」

私は、猫を抱えて、泣きながら歩いた。

そして、生まれてはじめて、「神さま」に祈った。

神さま。
猫を助けてください。
私の寿命を20年、猫に分けてください。
治してくれるなら、私は、あなたのために働きます。
なんでもします。

神さま。
お願いだから、助けて。


体が、感じたことのない熱さだった。



家に帰り、私は、仕事中の夫に電話した。
2人が出した結論は、手術はしない、だった。

手術しても助からない確率が高いなら、家で、みんながいるところで、温かい場所で、死なせてやろう。
ひとり、冷たい台の上で、不安なまま命を終えるのは、小さな猫には、あまりにもかわいそうだ。


私は、夕方、また、猫を抱えて、私は歩いた。

神さま、助けて。

私は、諦めてはいなかった。


病院について、私はお医者さんに「手術はしません」と言った。

お医者さんは、「わかりますよ」と言った。
そして、レントゲンだけ撮らせてくださいと言った。

そして。

猫の体の中から、医療器具が見つかった。
最初に行った病院で使われた器具が、体の中に残っていた。

お医者さんは絶句した。
「こんなことが。」

そして、方法は3つありますと、その器具を取り出す方法を説明してくれた。
器具は、お医者さんが、猫のお尻からするっと取り出してくれた。

「奇跡」だ、と、お医者さんは言った。

それから、今の感覚だと、中には傷はついていない可能性もあるが、腸が破れている可能性もある。

「あとは、この子の生命力次第です。ただ、この子は目の力が強いから、まだ諦めてはいないと思いますよ。この子を信じて祈りましょう」と言った。

私は、祈った。

神さま、治してください。
私、本当に、あなたのために、なんでもします。
あなたのために、働きます。
治してください。

毎日、祈った。

私にできることは、それしかなかったからだ。


やがて、猫は、ご飯を食べはじめた。

最後に撮ったエコーで、お医者さんは顔を曇らせた。
「腎臓のところに何かある。もしかしたら、器具が刺さっていたのかもしれない。それと、腎臓が小さいです」

そして、この子はもしかしたら、2歳までしか生きられないかもしれない、とお医者さんは言った。


半年後、猫は、避妊手術を受けることになった。
様子を見ていたのだが、発情してしまい、二十時間くらい泣き喚くので、これは手術するしかないとなった。
この猫はやんちゃなので、私は、縫合を体内でしてくれる病院を探した。


レントゲンを持って、何箇所か病院を回って、やっと引き受けてくれる病院があった。
そこは実家の近所にあり、昔、私が飼っていたうさぎを見てくれた先生が、今は、院長先生になっていた。

その先生は、私が持参したレントゲン写真を見て言った。
「これを手術なしで取れたのは、あの先生だからですよ。運がいい。これは、普通は無理だ。」

それから言った。
「腎臓に何かあります。もし、悪いものであれば、手術の時に一緒にとります。」


私は、それから、いつもの病院に行って、猫を助けてくれた先生にお礼を言った。
何箇所か回った病院の先生が、みな一様に、これは奇跡だとか、自分なら無理だとか言ったからだ。

私は、先生にお礼を言った。

そして、それから、実家近くの病院で、猫は手術を受けた。
腎臓は、様子をみようということになった。

(猫は、看護士さんをパンチして、早期退院になった。)



そして、猫が落ちついた頃。

私は、自分の祈りを思い出した。

そうして、どの神さまが、助けてくれたのか?私は、どの神さまに祈ったのか?と考えた。

ああ、こういうのが得意な神さまがいたな、と私は思った。

ジーザスだ。