VR ゴーグルで旅行する
今日届く。
山を旅行するのだ。
〔脳は、それが現実に起きていることか非現実かを、区別「できない」こと〕は、ドキュメンタリーで何度か見たことがある。
アメリカでは、その脳の特徴を利用して、PTSDの治療にVRを使って、トラウマができるきっかけになった体験を再体験させ、別の経験に変える研究が始まっているらしい。
私は夫に、「おそらく、この2、3年で、価値観が、根本からひっくり返りはじめるね」と言った。
できなくなったことに目を向けて、悲観し続けるなら、ここから先はノスタルジーに満ちた切ない時代かもしれない。
従来の人との繋がり方にこだわるなら、ここから先は、しんどいかもしれない。
けれど、開けるチャンスに目を向けるなら、今、始まろうとしているのは、より多くの人にチャンスがある時代だと思う、と、私は言った。
例えば、コンサートや演劇を、生で楽しめなくなったかもしれないが、そもそも、ホールには定員があり、そこへ行けるのは限られた人だ。
まもなく5Gが始まる。
どこかの国は6Gの研究にすでに手をつけている。
通信速度が早くなり安定するなら、今までより多くの人が、同時に、その音楽や舞台を体験できるようになる。
今、時折始まったライブ配信の価格設定を見る限りは、おそらくは、今よりも安価で。
必要経費が下がるからだろう。
余裕がある人の娯楽だった舞台や音楽が、より広い範囲の人々にも届く。
体が不自由でそこへは行けなかった人も、行ける。
時間を決めてやれば、みなで同時に味わえる。
二階席の端っこに当たる人はいない。
誰もが、いい場所で、舞台や音楽を味わえる。
貧富の差の影響は、より、少なくなる。
「文化が広がる。いいことじゃない?」と私は言った。
脳は、自分が実際にそこにいるか、もしくは、仮想現実なのかの区別はできないのだから。
だから、トランス状態でメタファーの世界を繰り広げることで、人生が変わるのだから。
今から先は、人生を変えるのは、もっと簡単になる。
VRをつけて、触覚に影響するリモコンを使って(まだ売られてないが、そのうち出ると思う)、ゲームをすればいいのだ。
体験型の。
感動ももっと簡単に手に入る。
価値観は、ひっくり返る。
お金がある人だけが、セッションやワークショップで人生を変えられる時代は、やがて終わるはずだ。
ある程度までは、デジタルでいけるようになると思う。
癒しは特に。
生み出すには、人間が必要だから、豊かさに関わるところは、人間が必要だとは思うけれど。
それから。
「例えば、より多くの料理人にもチャンスが生まれていると思う」と、私は言った。
店舗型ではなく、デリバリー型のレストランは、かかる経費が少ない。
料理人の人は、料理を作るのは好きだが、経営の才覚はなかったり、接客は好きではなかったりする人も多い。
料理を作ることそのものが好きな人にとっては、今からはチャンスだ。
料理を作ることだけに集中できる。
今から起業する人にもチャンスだ。
調理場だけ、あれば、運営できるから、初期投資が今までより少なくてすむ。
最初に抱える借金が減る。
既得利権を持たないものには、大チャンスだ。
崩れていくのは、既得利権がある世界だ。
そして、より多くの人に、チャンスが今よりは公平にやってくる。
ただ、自分が既得利権を持つ側にいたことを自覚する人も、たくさん登場しているはず。
多くの人が、時代が変わることが怖いかもしれないと、私は言った。
ゆっくり進むだろうから、ま、私たちが生きている間に、どこまでいくかはわからないけど、と。
待っているのは、虹色の世界だ。
通り抜けるしかないところを、今は、通っているだけだ。
だから、工夫するしかない。
ともかく、今から、たくさん旅行をしよう、と、夫と私は決めた。