クーポンのはなし

隣の家まで2分歩き、家の前には川と田んぼ。

裏も田んぼ。

右隣は山。


道を歩いても誰にも会わない。

スーパーはいつでも空いている。


そのような環境で暮らす叔母と祖母にとって、今の事態は全部テレビの中の話だ。

祖母に至っては、独自の世界に住んでいるから、ニュースすら関係ない。


彼らの生活に、密は存在しない。


ただし、数少ない感染者の氏名、職業、どこの病院に入院したかまで、把握している。

私が住むところでは、どこで発生してるか場所は話にでても、個人には話が及ばない。


叔母と祖母が住む場所には、ムラ社会がある。

母は、それを嫌って、今からもう50年も前に、大阪に出てきたのだ。

50年過ぎた今も、まだ、それは存在する。



そこでは東京か大阪に行って帰って来た人が、みな感染してくるという話になっているので、私は現在、出入り禁止になっている。


それで母と話したのは、もしかしたら、自分たちは、毎日さらされている間に、少しずつ体が慣れているのではないか?という話だった。

行って帰って来た人は、普通に仕事をしてきただけで、そこの会社では、発症している人はいないし、検査をしてもみな陰性。


街中にも、今は、ごほごほしている人をほとんど見ない。

多分、ごほごほしている人は、検査はしてないかもしれないが、ちゃんと家にいる。


しかしながら、来て帰る人がみな感染してるというのだ。

会社にしか寄ってないらしいのに。



叔母と祖母が住む県には、感染症用のベッドが、ちょっとしかない。

増やしている気配もない。

人がいないから、増やしようがないのだろう。

ベッドだけ増やしても、医者と看護士がいないなら機能しない。

ついでに、その自治体は、激しく過疎化していて、お金もない。


しかし、観光地は抱えてる。



というものすごい個人的な理由で、私は旅行キャンペーンには反対。

私は、祖母と叔母の平和で穏やかな日々を守りたい。



旅行する人はしたらいいが、今、旅行する人はキャンペーンなしでも旅行するだろうから、消費促進効果にはならんのじゃない?


ふるさと納税に使えるクーポンでも配って、自治体が観光業に出す補助金に回せるようにしたらどないでしょう?

そして、みんなは、行きたい場所にクーポンを使って寄付をする。


素人だけど、そう思う。