チープヒッピーズ
私の中学時代が、本人的には暗黒時代と化したのは、盲腸炎になったせいだ。
中学一年生になってすぐ、私は、「流行っていた」盲腸炎になった。
今もそうだが、私は、何かと流行病には乗るタイプ。
ミーハーだ。
まず同じクラスの男子がかかり、私がかかり、私が入院している最中、別のクラスの女子がかかり、私は、自分も入院中だったが別の病室のその子のお見舞いに行った。
退院してみると、クラスの友達グループはなんとなく出来上がっていた。
私は適当にNちゃんとMちゃんと一緒にいることにしたが、Mちゃんと私は仲良くなかった。
二人は、すっかり仲良くなっていて、つまらんと私は思った。
人生とは、大した理由なく、ちょっとしたタイミングで変わるものだ。
盲腸炎にならなければ、不登校になりかかったりもしなかったかも、しれない。
人生に、かも、は、ない。
Nちゃんにはお兄ちゃんがいて、レベッカはNちゃんが教えてくれた。
私もNちゃんも陸上部だった。
レベッカのCheap Hippiesのイントロのリズムと同じ走り方をする男子がいて、私たちは、他の数人と一緒にそれを見ながら、イントロを歌って、ゲラゲラ笑った。
その男子の腕の振り方が、面白かったのだ。
私は、ちっとも真面目に練習しなかった。
いかに練習をさぼるかしか、考えてはいなかった。
それで、ほとんど毎日、何人かと一緒に、運動場の隅っこで正座をさせられていた。
学校には、猫が住んでいた。
なぜかは知らないが、その猫は、私が正座をしていると、私の膝の上に乗ってきて昼寝するので、私は、ふざけていると、また怒られるはめになった。
ふざけていたのは猫であって、私ではなかった。
正座が終わると、私は、またさぼった。
私は、走るのは速かったが、ただ走るのは面白くなかった。
あまりにさぼってばかりだったので、どんどん種目が都落ちしていき、最後は砂場で、ひとりで、走り幅跳びになった。
やがて、私と友達二人は、陸上部をクビになった。
私はこれ幸いと思った。
そして、放課後は、友達が塾に行くまで、友達とブラブラ遊んでいた。
学校はしょっちゅう休んでいたが、放課後は友達と遊んでいた。
私は不良になるという理由で、塾には行かしてもらえなかった。
行かせて!と大げんかしたが、夜は外に出しません!と、却下され続けていた。(妹は、小学生だったが、塾に通っていた。)
ん〜。
私の記憶では、中学時代の私はクソ真面目だったのだが、あんまり真面目じゃなかったかもしれない。
時は流れて、ただいま、姪っ子が同じ中学校に通っている。
やめておけと言ったのに、陸上部。
母は、「Yちゃんはねえ、、、」と私の愚痴を姪っ子に言い続けている。
私は姪っ子に、「私のおかげで、あんたは褒められ続けている。感謝しろ」と言っている。