今から数年の選択基準

もう随分前の話になるけれど、一時期、私は、究極の状態に置かれ、そこを生き延びた人たちの本を読みあさった。

きっかけは何だったか、よく覚えていない。


究極の状態はさまざまなシチュエーションだった。

アフリカの大量虐殺。

ホロコースト。

雪山遭難。

飛行機事故。

戦地。


バラバラだったが、全員に共通していたことが、ひとつあった。


それは、「生き延びる」と決めていたことだった。

生きることへの執着。

そして、その人たちのした全部の判断や選択の基準の根っこが、生き延びることを最優先にされていた。

そして、それが、その人たちの気持ちを強くしていた。


生きていることは、普段、当たり前にある。

平和な国では特にそう。


だから、多分、自分も含めて、多くの人は、生き延びるために選択するのに慣れていないかもしれない。

他の基準が選択基準になってることが多いかもしれない。


生き延びることを選択基準に置かなくていいのは、恵まれていて、幸せなこと。

できれば、それを考えないでいられる世界がいい気もする。


が。



生きる!と決めておくことは、これからしばらく、数年の世界を生きていく中で、結構、大事なことのような気がする。