強い気持ち*びっくりするほど簡単だった話。

歯医者、続編。

訪れた歯医者の診察台で、怖くないでしょう、はい、リラックスリラックスと歯医者さんに言われながら治療スタート。

もう、条件反射的に、体はこわばって力が入っていた。
こ〜わ〜い〜。

わたしは思った。
「違う。強い気持ち!」

するとどうだろう。
全身の力がふわっと抜けて、体が柔らかくなった。
そして、嘘のように、怖さを感じなくなったのだ。

あれ?と私は思った。

治療は、時折中断され、口をすすいだりなんだりした。
中断して、一度椅子を起こし、また、元に戻すと、体は必ずこわばっていた。

その度に、私は、「強い気持ち!」と思った。
そして、そう思う度、体が緩むのを感じた。
怖い気持ちは体が緩むと姿をひそめた。

私は、寝転んで口を開け、キュインキュイン言う音を聞きながら、一生懸命探した。
この「強い気持ち」はどこにある?
見つけて、メタファーにしておけば、次も使える、おそらく全ての恐怖に対応できると感じたからだ。

しかし、これが不思議なことに、「強い気持ち」はどこにもなかった。
気持ち、は、この状態のことか?と私は少し不思議に思った。
私の強さ、は、この状態か?


そして、帰り道、家までの道をてくてく歩きながら、私は思った。

私は、「強い」と言うことについて、とんでもない勘違いをしていたのではないだろうか?

そして、考えた。
今日、「強い気持ち」がおきた時、使った要素はなんだったかを。

まずは、機転。強い気持ち!と思ったこと。
それから、創造力とコントロール力。言葉から状態を作ったこと。体が言葉に従ったこと。
それから、リラックス。体を緩めたこと。
それから、受容力と諦めの良さ。怖いが抵抗しなかったこと。

私の強い気持ちは、ちっとも力強くはなかった。
柔らかで、軽やかで、心地よかった。
そして、強い気持ちは、優しくくるっと怖いを包んで、私からは怖いがわからないようにした。
怖いはそのままそこにあった。
私は怖いを抱えたままで、ただ、私から怖いは見えなかった。

私の強い気持ちとは、勇気があるとか気が強いとかそう言うことではないのかもしれない、と私は思った。

もっと柔らかな状態が、私が恐怖を克服し、強い状態の時なのかもしれない。
思ってたのとだいぶ違うわ・・・。

となりますとね・・・
これさ〜、同じような人、たくさんいるんじゃないの?と私は思った。


そして、思った。
強みやリソースを探求することが、ここ数年、流行っているけれど、自分も手伝うけど、それより前に、「強い」と言うことがその人にとってどう言う意味を持つのかをはっきりさせておいた方が、もしかしたら早いんじゃない?と。

強い、強さ、だけを探れば、全部でてくんじゃないだろうか、もしかして。。。

知らんけど。
やってみよう。