ある霊能者のはなし*2

あなたの話がブログでよくうけたんだけど、何か面白い話ない?

私が聞くと、ある霊能者の友人は、面白い話なあ、、、と少し考えてから言った。

揚げ物の霊の話でええ?

揚げ物の霊?と私は首を傾げた。

うん、揚げ物の霊、と彼女は言った。
そして、彼女は話し始めた。


「あんな、この前、友達とご飯食べよって、車乗っててん。
そしたらな、友達が、なんか揚げ物の油の匂いがするって言い出してん。」

ふん、と私は相槌を打った。

「ほんでな、最初、天ぷらが有名な和食やさんに行ってんやん。
でも、満席やって、そこは諦めてん。
ほんで車に戻ったらな、揚げ物の油の匂い、消えてん。」

あなた、なんの話をしてんの?と私は言った。

彼女は、
「だから、霊の話やんか。
あんたが霊の話をしてくれって言うから。」と言った。

「つまりな、揚げ物の油の匂いは、天ぷらかなんかの霊や。
ほんで、あるべき場所に戻りたくて、わたしらの車に乗ったんや。
和食やさんに、天ぷらかなんかの霊を下ろしたから匂いは消えたと、まあ、そういうこと。」


私はもう一度、言った。

あなた、なんの話をしてんの?

そして、だんだんおかしくなってきて、笑いが止まらなくなった。


彼女も笑いながら、「わからんかなあ。」と言った。

「だからな、真面目に考えるもんちゃうねん、笑って楽しんどったらいいねん、全部が全部、害があるってもんでなし。
エビの天ぷらの霊なんか怖くもなんともあらへん、あんた生きてる人間の方がよほど怖いで。」
そう彼女は言った。


本当の話かどうかは知らんけど。