父語録*4

父語録。

私は小学五年生。
当時、私の発言で、人が傷つきまくっていた。
そんなある日、父は私を呼んで言った。


どうも見ていると、おまえは人が何を考えているかがわかるんやな?
それな、口に出したらあかん。
本当のことは人を傷つけるからな。
わかっても言ったらあかん。
冷たい人に見えるからな。

それからな、どうしておまえが人が考えていることがわかるかというとな、それは、おまえが人と距離を取るからや。
もっと、人の中に入りなさい。
人の中で、泣いたり笑ったりしていなさい。



それは、父が土産で買ってきたケーキの箱を見た私が「お父さん、このケーキやさん、お家と逆の方向だね。」と発言した後のことだった。
(父は夫としてはマイナス9500点)
娘の観察力は、父に不都合があったのだろう。

本当のことはわかっても口にするなということについては、この後、何度も叱られた。

観察力の使い方の基礎を教えたのは、父だ。