気づきは動いた後にやってくる

少し前に、前の会社の直属の上司と話す機会があった。
この人は、ポイントポイントに現れる。

上司は笑いながら言った。

「君は、ずっと同じことをしてるんだね。
    好きなんだね。」


私は、「好き」なんだね、という言葉を聞いて、はっとした。

そして言った。

そうですね。
好きなんですね。
業界が変わっただけですね。
やっていることは、ず〜っと同じです。


私は仕事の時、自分がそれが好きな仕事かどうかは考えない。
そこに重きはおいてないというのはわかっている。
ただ、もうひとつ、事実として知っていることは、好きなことを仕事にしても、そうでなくても、楽しいことも苦しいこともある。
好きじゃないことをしているから、苦しいとは限らない。

楽しいとか苦しいとかは、仕事そのものよりも、どういうやり方をするかという手法の方が影響するような気もしている。
そこは、工夫できる。


そういうわけで考えない。
だけれども、他人が時々教えてくれる。

あなたは、それが好きなのね、と。


そして、他人が私にふってくる仕事は、私が好きそうだと相手が思う仕事のことが多い。
これ好きそうだけどやる?

私のように、できた人間でない人は、好きこそものの上手なれなのかもしれない。


で、私は、ず〜っと同じことをしているらしい。

この同じこと、は、多種にわたる。
上司が知る私は、なんでもやらざるを得ない規模の会社にいた。
所属部署は2つ。

営業部と経営企画。
私は商品と会社を売っていた。
人材育成も入っていた。
広報の仕事もあった。
ブレーンもやった。
セッション的なことは、部下とクライアント相手にしていた。
私に個人的な相談があると、クライアントが私を待っていたことはしょっちゅうあった。
グラフィックデザインは、誰もやってくれないという理由で、この頃始めた。そこから独学。

経営企画は、好きなことを自由に好きなようにやっていいと最後の年に社長が作ってくれた。
だから、私と社長しかその部署にはいなかった。

でも。
私は自由に好きなようにできなかった。
忙しくて手が回らなかったのもあるが、一番の理由は、強さ、がなかったからだ。
ぶち当たる風から身を守ることに必死だった。

誰かに守ってもらおうと思うなら、誰かの意見を取り入れる必要がでてくる。
自由は下がる。

バランスの問題だが、会社を辞めた時、私が選んだのは自由だった。
リスクと引き換えに。


で、10年。

同じことをしている私が、何を追求すればいいか、私は気がついたのだった。
すでに追求しているけれど、それらは絶対に外せないとわかったのだ。

自由と強さ。
以上!笑


気づきは後から訪れる。
動いた後にやってくる。

気づいたから動くは、私の場合、少ない。
言語化されるのは後。

種明かしはもっと後。
抱えていた問題は、解決する時に、問題でしたと姿を現す。


なんでか知らんけど。

ともかく、10年がかりで取り組んだことが、種明かしをしてきた春だった。

そして、最近、はっきり理解した。
私が売りたいものは、自分自身ではない。
私は、裏方が好きだ。

なぜに、自分のセッションのホームページを一番ほったらかしたかわかり、すっきりしたのだった。