2つの同じもの
相方さんと2人、「難しい!」に取り組んでいる。
ふと、書いたら何かわかるかな?と思ったので、書いてみる。
2ヵ月前には、それを作るのは、決まっていた。
写真と音と文字を合わせた短い作品だ。
そこまで、いくつか似たようなものを作り、それらはさくさく作業は進んでいて、楽勝だくらいに感じはじめていたのだが、今のものを作ると決めて、作業は止まった。
私が先に作業する必要があったが、イメージがわからなかったのだ。
素材の写真は何枚もあったが、イメージがわかなかった。
私と相方さんは、過去に4年近くかけて、作品を完成させたことがあり、できる時にできると2人とも思っているので、焦りはないが、しかしイメージがわかないという状態は気持ちが悪い。
私は、同時進行で、自分のホームページを抱えていたから、さらに気持ちが悪かった。
イメージが浮かばないというのは、私にとって恐怖に近い。
私の仕事のほとんどは、浮かぶことから成立しているからだ。
幸い、その2つ以外は、普通に浮かんだ。
そして2ヵ月、寝かせた後、というか時間が過ぎ去った後、先に動き出したのは、ホームページだった。
もう少しでできるというところまで来た時、私はふと、先に音楽を決めようと思った。
そして、音楽を決めたら、ああ、これは写真を使わないのかとわかった。
いつでも思うが、わかる、という感覚は不思議だ。
存在しないものに正解などないのだが、わかる、のだ。
それで、私は音楽を編集した。
そしてそれから、大げさでなく100回くらい繰り返して、それを聞いた。
少し見えた。
ので、作ってみた。
しかし、それは、ほんの少しだけで、止まった。
いつもは、映像と音がある程度揃ったところで私は相方さんにデータを渡して、言葉をつけてもらう。
そしてそれから、言葉を編集したり、映像と音を調整したりする。
今回は、いつまで待っても、それ以上浮かばない気がしたので、私は、ほとんど何もないに等しい状態のデータを、相方さんに渡した。
いつもは、相方さんからすぐ何かの反応がある。
しかし、相方さんからは2日、何の反応もなかった。
そして、2日後、相方さんから文字のデータが届いた。
そこに難しい、時間がかかる、まだ途中かもしれない、と、相方さんは書いていた。
私も難しい、と、私は返した。
同時進行で進めているホームページは、あと少し、本当にあと少しだ。
そして、相方さんから送られてきたデータに合わせて、映像を触りながら、私は、「これは、どうやら、私は、同じものを作ってる」と感じた。
醸し出す雰囲気はまるで違う2つだが、どうやら同じもの。
これは、ほぼ同時に出来上がるなと、ふと、感じた。
おそらく先にできるのは、相方さんと作業している方だ。
書いてみるものである。
どっちを先にやればいいかが、今、わかった。
だから、私は、書く。