スピリチュアルにはまった友人の話
ある友人が、数年前、スピリチュアルにどはまりした。
どうなることやらと眺めていたが、やがて彼女はスパッとそれらと手を切った。
飽きたようだった。
スピリチュアルにはまっていた頃、彼女が興味を持っていたのは『5次元の世界がやってくる』というフレーズだったらしい。
彼女いわく、それは果てしなくスピードの速いエネルギーに近い世界ということだった。
人の幸せのためにお互いが働く、ややテレパシックな世界らしかった。
やがて彼女は言った。
「現実になり始めたからね、もう、いいわ」と。
例えばね、と彼女は言った。
「あのやたら早く荷物が届くアメリカ生まれの通販会社。
願えばその日中か、次の日には願ったものが届くでしょ。
しかも、欲しいものはこれじゃないですか?って提案してくるじゃない?
早いわよね。
テレパシーみたいよね。
欲しいものは早く欲しいというニーズを叶えようとしてるわよね。
5次元的よね。
そういうことがここ数年いっぱいあって、そっちを使ってみたりする方が、私は楽しいわ。」
彼女はわかったのだと言った。
あれらの話は嘘ではなかったということ、だけれども、あれらの話のネタ元が、現実に弱いということが。
物理には特に弱いと彼女は言っていた。
きっと文系なのね。
だから、それが現実になる時、それがどんな風に形になるかがわからなくて抽象的な表現になったのだろうと。
まず、3次元では、5次元「みたいな」ことは可能だけれども、3次元は5次元にはなれないことが理解できてないのね、とも。
3次元は、空間、時間、物質があるでしょ。
5次元には物質がないって、物理で習ったじゃない?
物質がないのは、インターネットの世界で、だから5次元的なことは、主にインターネットがからむ世界の中で可能になるわよね。
あとは思想ね。
これも形はないわね。
思想は世界を作るじゃない?
思想を形にできる人達の手によって、それは行われるけど、その人達は必ずしも、思想としてはそれは認識しないわよね。
きっとね。
ビッグデータもそうだけど、ビッグデータとかわからなかったんじゃない、きっと、と言った。
スピリチュアルのネタ元は、頭もあんまりよくないんだと思うわ、頭がよかったら抽象的な話をせずに、自分でやるはずだもの、と。
ものすごいビジネスチャンスよ、あなた。
なかったものが生まれるんだもの。
もう数年、せっかくそれが登場してるのに、それらが生まれ始めたら、支配がどうこうって話が出てきたから、私、つまらなくなってもう関わるのをやめたの。
頭が悪いんだと思っちゃったのね。
あと、ああ、結局、ここではないどこかへ行きたい人が多いんだなと思って。
本気で5次元に行きたい人がいたみたい。
ドラえもん?と私は笑った。
あれは4次元でしょ、と彼女は笑った。
彼女の話でよくわからない単語は、ネタ元だった。
それで、ネタ元ってなによ?と私はつっこんだ。
「いろいろあるのよ。多分。」と彼女は笑った。
*この日記はフィクションです