「まずは」心
ある時、人は見た目です、と、母はいつでも言い切った。
小学生の私は言い返した。
母、標準語。
娘は家も学校も標準語の中で暮らしていたが、言い返す時は、関西弁。
「(学校の)先生は、心が大事やって言ってたで。」
母は言った。
「あなた、何を言ってるの?心がきれいなのは当たり前でしょう。どうやって、心が人にわかるの?
きれいな心は、きれいな見た目に現れます。心だけが美しいだけではどうしようもないでしょう。心がきれいなのは、当たり前。」
それで私は思った。
そっか。
私は小学一年生だから、まずは、心って先生は言ったんやな。
まずは、心。
まずは。
私は、最近、この小学一年生の自分の理解と、母の言葉は、あながち外れていなかったと思いはじめている。
そして、人類は、ようやく、まずは、At first、の段階から飛び出そうとしてるような気がしてる。
科学の進歩を待ってた気がする。