ねえ羊の絵を描いて

星の王子さまのお話の中で、私が一番好きなセリフはこれ。

ねえ、羊の絵を描いて。


主人公が箱を描いて、王子さまが納得する流れも好きだ。
主人公の絵の下手くそさ加減にもシンパシーを覚える。


「ねえ、羊の絵を描いて」と思うと、いろんなアイデアが浮かぶことが多いので、私が何かを発想するときに「何が起きればいいか?」の次によく使うフレーズはこれ。


自分に指示する。
ねえ、羊の絵を描いて。

そして、頭の中に箱を描いて、箱を覗きこむ。
すると、なんだかいろいろ見えるというか、浮かぶ。


これはもう、30年以上使っている方法。
あまりに個人的だから、人には言ったことがない。
煮詰まるとそう思う、そうすると浮かぶとか、適当すぎて。


ねえ、羊の絵を描いて。

私にとってこの一言は、嘘はいけないよ、とか、いろんな意味を持っている。
素直にね、とか。


嘘は必ず、見破る人には見破られる。
嘘でいいことも世の中にはたくさんあるけれど、自分の発想に自分が嘘をついたら訳がわからなくなる。


だから。
ねえ、羊の絵を描いて、と私は自分に指示する。
そして、頭の中に箱を描く。