見つけてしまったやりたいことから、逃げる方法はない
今朝、母が2015年の年末にかけた一本の電話のことを思い出した。
私は夫の母からそれを聞いた。
「お母さんが、頭を下げて、頼んでこられたわよ」と、夫の母は言った。
母は言ったらしい。
あの子は挫折したことがあります。
長い時間をかけて、ようやく、あの子がやりたいことを見つけたようなので、申し訳ないが、協力してやってください。
その1週間後、私は生まれてはじめて、海外に行く飛行機に1人で乗った。
ほとんど無謀な冒険をしに。
私の当時の英語力は、そばにいる日本人が思わず助けたくなるレベルだった。
(今は、そばにいるアメリカ人が思わず助けたくなるレベルまでには進化した。アメリカ人の英語の方が、私にはわかりやすい。)
それは1月1日で、私が向かったのは田舎だった。
1月1日に、辿々しい英語の日本人がひとりでは、入国審査で引っかかると思った。
なぜ夫が一緒ではないか、尋ねられると思った私は、英語のジョークを何度も何度も鏡の前で練習した。
案の定、入国審査で、なぜ1人なのか?、配偶者の職業は何か?、しつこく尋ねられた。
私は「不幸なことに。私と夫は別居してるんです」と、練習したとおりに、サラ・ジェシカ・パーカーがドラマの中でやっていた仕草と声と表情で嘘を言った。
My husband and Iのイントネーションと、Unfortunatelyのジェスチャーがポイントだ。
入国管理の人は思わず吹き出し、すぐ真面目な顔に戻って、”Go”(行っていい)と手を前に振った。
Thank youとしれっと言いながら、まるでドラマ、と、私は思った。
そうやって始まった私の冒険は、数回に渡り、最後の冒険で、イギリスから日本に帰る空港で、私が、いろいろ聞かれるのがめんどくさいので、私は英語はわかりませんという様子でいたら、出国の係の人が、「あなたの出入国記録には、あなたは英語を話せると記録されてるけど」と言った。
私は、ちょっとだけと答え、係の人は怪訝な顔をして、”Go”と言った。
今年、三回の週末に渡り、私は真夜中のワークショップに参加している。
8つのタイムゾーンに渡って人が集まっている。
英語が得意でないのは私だけではないが、断トツで、私の英語がひどい。
今回、私は、はじめて日本人は自分だけの状態にいる。
アメリカ人が助けてくれている。
そして、アメリカ人の方が、私の英語を楽に聞き取る。
私の英語の発音は、ヒスパニックなまりがあるらしく、アメリカにはヒスパニック系の人がたくさんいるからだろう。
何度か、なぜ、サムライイングリッシュではなくヒスパニックなまりなのか?と聞かれたことがある。
なまりの理由は、私が最初に学んだ第二外国語がスペイン語だったからだ。
子供の頃に。
今はもう、挨拶と、私の名前は〜です、くらいしか覚えていないが、発音だけは残ったらしい。
今回、私は、クライアントをして学ぶ体験をしている。
この前の土日で、3本セッションを受けた。
次の土曜日が最後だ。
最後の手前で、私は、また、言った。
「英語と日本語。」
私は、すでに私の背中にある羽根は、英語だと言った。
まだない羽根は、日本語だと言った。
日本語で、自分が、作らなくてはいけない、と言った。
「英語の羽根は、私の知識と私の勇気でできている、けれど、それは天使がくれた」と、私は言った。
「英語と日本語は、何が違うのか、探ってくること」が宿題のひとつだ。
そして今朝、唐突に、母がかけた電話のことを思い出した。
私は、笑った。
見つけてしまったやりたいことからは、逃げられない。
そしてそれから、ワークショップの初日に登場した葉っぱが浮かんだ。
私の羽根は、葉っぱをつなげて作られていき、葉っぱの枚数が溜まったら、きっとその時、空を飛べる、と、私は思った。
葉っぱに魔法がかかる日が、きっと来る、と、私は思った。
そうそう。
私が今回理解したひとつに、私の身体は、ブログや私が書くものを、葉っぱと理解していることがある。
私は葉っぱで遊んでいると、私の身体は、今この瞬間も理解している。