住民投票のイメージ戦略
ビジョン(未来のイメージ)の力は強い。
(その人にとって)ポジティブなビジョンであればあるほど強い。
それが万人にいいかどうかは、あまり関係ない。
さらに、人にイメージさせることができれば、さらに強い。
それを具体的に他者にイメージさせることができた時、より多くの共感を得る。
不安や恐れよりも、希望は強い。
あやふやな希望は弱いが、イメージを伴う希望のイメージは強い。
それはセオリー。
そして、このセオリーはほんまやわ〜と、身近なところで実感している。
身近な政治の話を通して。
強固な反対もあるが、おそらく今回は賛成優位だろう住民投票。
推進したい人々は資料を揃え、希望をイメージをさせる戦略を取っている。
この人々は、政治の舞台に登場した最初から、一貫して、それをしている。
未来のためにが、徹底している。
弁論が本業だった人々も混じっているので、メタファー(比喩)を使うのも上手い。
言葉が上手い。
作ってきた資料も、メタファーオンパレードだ。
他方、反対派は、抽象概念の言葉で語る。
悪くなるイメージはあるが、じゃあ、どうするのか?という希望のイメージはない。
反対派が語るのは、今、だ。
ひとりだけ、東京から、今の流れに便乗して自分たちの宣伝活動のためにやってきた政治家は、反対理由として、過去を語っていた。
「歴史と伝統」という言葉で。
過去の負債をどうするかという話をしている場所で、歴史と伝統を訴えるセンスが、この人の党が伸び悩む理由だなと思った。
歴史と伝統は、あればいいというものではない。
どのような歴史と伝統なのかが重要だ。
次に同じく、顔を売りにきた政治家は、反対理由として経済を語った。
話は、今、行政で、反対派の人が危ぶんでいるのは、主に、行政サービスと福祉だ。
話のピントがずれていた。
私は彼の高校時代を知っている。
それで彼が華はあるが、あまり賢くないのは知っている。
理想と情熱だけでは、政治は無理だと私は考えるので、私は彼が普段語る内容はもっともだと支持するが、彼のことは支持していない。
それにしても、なぜに、得意技の福祉や貧困について語らないのかを考えた時、ああ、そこはサービスが低下しないのかと、逆に思った。
するなら、つっこみまくれただろう。
私が資料を読んでいる限りも、その低下はひとまずなさそうだ。
防災計画だけ、その日が来たら見捨てる地域をまとめたなとは感じたが。
(私は、見捨てられる地域に住む。)
彼のそれは、反対させたいなら、逆効果のスピーチだったので、単に自分たちを売りに来たと思った。
やってきた政治家2人の党は、私の住む自治体で議席を持たない。
よく知らないで語っていたから、イメージがピント外れだったのだろう。
イメージはイメージにすぎないが、ピントはある。
前回もそうだったが、これほど1票で差が出る選挙はない。
他人事ではないので、真剣に考えなければならないが、イメージって力あるなと、淡々と眺めてみたりもしている。
戦略だけでいくなら、推進派の勝ちだ。
声高に反対を叫ぶ戦法は、時代遅れだ。