今ここ

続き。

それで、これは自身の実験結果の報告になる感じだけれど、私は25歳から、そりゃもう一生懸命、どうやれば自分がこの世で幸せに生きていけるか、希望を持ち続けられるかを、そりゃもう、長い時間、考え続けてきた。

自分ひとり幸せにできない、自分ひとり救えない人が、どうやって他人を幸せにし、他人を救えるというのか?と、言われたことがきっかけだ。
自分にできもしないことを、他人に強要するのかい?
彼は、ズタズタの女の子に、そう言った。


それが実験のはじまりだ。


そしてだからつまり、この二十年、私が考え続けたのは、自分を救い、自分を幸せにすることだ。


今、二十五歳の私とは、違う物の感じ方をし、違う目線で他人を眺め、違う発想で仕事をする自分がいる。
私に、幸せになる方法を尋ねてくる人がどんどん増えていく。

私が幸せかどうかはわからないけれど、つまり、私は幸せそうに見えるのだろう。
少なくとも、そうなる方法を知っていそうな程度には。


あらためて振り返って、面白いと思ったのは、幸せになるために影響したのは、今日、を考え始めた後だったことだ。

今ここ、というのは、幸せについて教えてもらったのと同時に教わった。

今が全てだ。
今、この瞬間が全てだ。


彼は言った。


過去も未来も、全ては、今、この瞬間の頭の中にしかない。
今も今にしかない。

今が全てだ。

今、何を思い、今、何を願い、今、何を選択し、今、どう行動するか、それが全てだ。


自分の感情をコントロールする必要はない。
自分の思考をコントロールできるようになりなさい。


考えるとつらいことを考えるのではなく、考えると希望が浮かぶことを考えなさい。
選ぶと幸せになれることを選びなさい。


自分の人生に責任を持つということは、自分の頭の中に責任を持つということだ。



人を救いたい、自分を救いたいと言うならば、今この瞬間、それを願い、今この瞬間と未来で、そのために自分には何ができるかを考え、行いなさい。

過去には手出しができない。
だから、過去は後回しでいい。

今ここを積み重ねるしかない。
まずは、今日の自分を幸せにすることを考えなさい。


続く。