あてはまらない性格診断

う〜んとなって、それから、性格の90%は後天的なものであるという説の方が正しいのかもしれないなと思った。
先天的な見た目を根拠にした性格診断は、もしかしたら、ほとんど全くあてにはならず、当たっている時は、たまたまなのかもしれないと思った。


猫の話だ。

私は、猫の毛色は性格がわかると、猫の毛色による性格の違いが書かれたものを読んでいた。

我が家には、同じ毛色の猫が三匹いる。
全員メスだ。
彼らのうち二匹は姉妹というか、人間でいうなら双子。
見た目は違うから一卵性ではないが、生まれた時から同じ環境で育っている。
人間の手でお母さん猫から離され、その後、小さな時期をケージの中で過ごし、我が家に来るまで他の家を二軒回って、それからやってきた。

一匹は、お母さん猫が死んでしまった次の次の日に、自ら、夫にお腹が減った!助けて!と鳴きながら飛びついてきた。
人間に助けを求めた彼女が、最初にやってきた猫。

その三か月後、双子がやってきた。
三匹は、1か月違いの年齢で、全員、春が来たら、三歳だ。


そして、三匹が一緒に暮らしはじめて、二年数ヶ月経った。
我が家には、別に、まもなく八歳になる猫たちのことを大好きなオスのうさぎが一匹いる。
猫達もうさぎとは仲がいい。

猫は三匹とも懐いていて、私の周りをうろちょろしたり、一緒に寝ていたりする。
夫のことは、頼めばよくしてくれる召使いだと思っている様子がある。
用事がある時(朝、お腹が減った時)だけ、夫に近づく。
共通事項はこれ。


それにしてもどうしたことか、三匹とも、性格診断に書いていることに全くあてはまらない。
ある程度、統計を元に性格をはじきだしているはずだが、サンプルの数が少ないのだろうか?

というか、そもそも、三匹のうちの二匹は、一般的に言われている猫の性格の特徴すらあまり満たさない。
ものすごく猫らしい性格に思えるのは、双子のうちの一匹だけだ。
他の二匹は、私が知っていた猫の性格ともなんだか違う。

私も夫も、育った家には猫がいた。
「猫ってこんなやったかな?」と二人はよく首を傾げる。

双子は、環境や体験については、ほとんど全く同じはずだが、その環境がそれぞれの性格に与えた影響は異なるようだ。

同じ体験をすれば、同じ反応や同じ影響があるとも限らないらしい。
環境に影響を受けやすい個体と、そうでない個体があるのかもしれない。


ちなみに、同じようにエサをもらってきた猫達だが、食についても、三匹は好みが違う。
一匹はやたらこだわりがあり、もう一匹は他の猫が食べているものを食べたがり、もう一匹は、何でも食べる。
一匹はチキンが好き、もう一匹はチキンも魚も好き、あとの一匹はチキンが嫌い。

三匹とも、人間が食べている魚やチキンには興味を示さない。
一匹は、パンは好き。他の二匹は、人間が食べるものは一切食べない。

同じように育てたはずだが。


一匹だけ、出かけるのが好きな猫がおり、一緒に出かけようとついてくるので
、たまに猫用カートに乗って、あちこち連れていく。
この猫が特に好きなのは、ドライブだ。
他の猫は、そもそも、人間を怖がる。
さらわれると思うようだ。これは、トラウマだろう。


狭い環境の中で暮らす家猫ですらこうなのだ。
私は、人間は、もっともっと個体差があることだろうと思った。
後天的な体験や環境にうけた影響による変化の個体差。

同じものを与えられても、同じ効果はないのだろうきっと。
同じ体験をしても、同じようには感じないし、後に残る影響も違うのだろう、きっと。

実際、そうだが。



そして、まあでも、当たってないわ〜というのもまた、性格診断の楽しみ方のひとつでもあるわと、私は思った。