結婚と家族

昨日、私は、自分が大好きなものに気がついた。
そして、それが好きになったのは、18歳の時に始めたアルバイトが理由だということにも気がついた。
そして、そのアルバイトを始めたきっかけは、ピアノだったということも思い出した。
好きなものが、新しい好きなものへと私を連れて行ったことに気がついた。


大学生になった後、あるホテルで、私は友達が紹介してくれた披露宴の食事をサービスするバイトを始めた。
二回目で、自分にはこのバイトは向いていないとわかった。
しんどい。

(それでも、この時身に付けたお皿の持ち方や料理のサービスの仕方、覚えた披露宴の料理進行の流れとタイミングは、その後、私を助ける。)

私は披露宴会場にひとり、最後に優雅に登場し、終わるとすぐに「おつかれさまでした」と優雅に去る人がいることに気がついた。
ピアノ奏者だ。
サービス要員には、あほかばかかど怒鳴るサービスの黒服キャプテンも、奏者とは笑顔で会話していた。

私は鍵盤が弾けたな、あっちや、と私は思った。
どうやったらあちら側にいけるのだろう?
それがわからなかった。
今とは違い、スマホで検索すればわかる時代ではなかった。


しばらくして、私はピアノのグレードテストの聴音と理論の試験を受けに行った。
そして、お隣に座った人と仲良くなった。
帰る方向が一緒だったので、その人と一緒に電車に乗って話をした。

そうしたら、その人は、披露宴に奏者を派遣する会社の奏者をしていることがわかり、そして、その人は、「紹介してあげるよ」と言った。

それが、大学卒業後、私が働いた会社へ私が行き始めたきっかけだった。
レッスンが半年くらいあり、それから、私は披露宴の奏者のアルバイトで、稼ぎに稼いだ。
その頃景気はまだ良く、お祝儀の習慣も残っていたので、新入社員の給料くらいは毎月あった。

(ちなみに、レッスンの期間、バイト代が入らないので、私が始めたもう一つのバイト先にいたのが、今の夫だ。)


それから、私は、ブランクがありながらも、20年近い時間を、仕事の形を変えながら、ブライダル業界の中で過ごした。

その中で、今の仕事のひとつであるグラフィックデザインと、人を育てること、コミュニケーションスキルを覚えた。

私のセッションの最初のお客さん達は、ブライダルプランナー達だった。
当時、営業が仕事だった私は、時折、仕事終わりに自分を待っていたクライアントである彼女たちの相談に、無償で乗り続けた。


時は流れ、ここ数年、私のセッションに訪れる人からの相談は、家族の話と結婚の話がメインになりつつある。

昨年からは友人と、婚活応援プログラムを始めた。




そして、昨日、私はようやく気がついた。
私は、結婚と家族の話が好きなんだと。

そしてそれは、何千という披露宴で見た家族や友人が集まる景色が理由だと。
どれだけ、結婚が家族や周囲を幸せにするものかを見たからだと。


そうか、私は、幸せな空間が好きなんだと。
もしも地上に天国があるならば、披露宴の空間は、プチ天国だ。


結婚式のためには、裏で、プチ地獄のように走り回っている人達がいる。
世話を焼いてる人がいる。

私は、結婚と家族のために、世話を焼くのが好きなんだと気がついた。


最小単位のチーム、夫婦と家族。
その2〜数人のチームのために、働くのが好きなんだと。


好きなものに気づくのは、幸せなことだ。
おそらく、私の周りの人は、私がそれを好きなことをすでに知っていたような気がする。

でも、私は昨日気づいた。
そんなもんだ。
おめでとうと言うために、誰かの幸せを喜ぶために、私は働いている。