話が繋がる瞬間

誰の人生も物語だとして。

物語には種類がある。
サスペンス、ラブストーリー、アクション、純文学というようなジャンルの種類。
それから方法論の種類。
技法の種類。


私の人生は、オムニバスのような感じのことが多い。
短い物語が、それぞれ、同じようなテーマで絡み合う。
連作のような感じで、もしも人生を本にするならば、今、手元には三冊くらいの完結した本と、書きかけの原稿が三冊くらいある。
書きかけの原稿は、同時進行で、運がよければそのうち完成するだろう。
一冊だけは、死の瞬間に必ず完成する。


最近は、意図的に、物語を書いている節もあるが、それでもほとんどの部分は、作りこまれた物語ではなく、偶発的に進む出来事を、後から物語に仕立てているような感じがする。


さて。

時たま、バラバラのそれらが繋がるような気がする瞬間がある。
話が繋がって、ああ、これはあそこの伏線回収か!みたいな感じで。
ほんとのところ、あそことここには何ら関係はないかもしれず、ただ、頭の中が物語を生み出した瞬間かもしれない。


これは、かなり気持ちいい。

そして、最近、ちょいちょい、この気持ちいい瞬間がある。

なぜ気持ちいいかといえば、その瞬間、私は自分の望みの存在を知るからだ。
そして、その望みを叶えようと、先に体が動き出していたことを知るからだ。
これが、気持ちがいい。

そしてまた、オムニバスの新たな章が始まる。

話が繋がる。すると次に、何が起きる?