音楽を愛する心

私の朝は音楽から始まる。
私は血圧が低く、朝はすぐには動けない。
起き上がった後、iPhoneで音楽を聞いている。
iPhoneが登場する前はMD、その前はCDだった。
時々、習慣を変えてみるが、変えると調子が出ないので、結局戻る。
この習慣は高校生の頃にはじまったから、割と長い。
昔はFMを聞いていた。

今、聞く曲は日によって変わり、流行りがある。
今は、ビートルズか椎名林檎の新しいアルバム。

ひとりで仕事をしている時もずっと音楽を聞いている。
グラフィックデザインをする時は、最初にBGMを決める。
音楽がなければ、イメージや色が浮かばない。
文章を書く時も、最初にBGMを決める。
ブログもそうだ。
BGMによって、論調がやや変わるから面白い。

翻訳する時は、バッハのピアノの平均律がBGMだ。

私の気分や頭の動きは、音楽に簡単に影響を受ける。
疲れた時も、元気を出したい時も、音楽を聴く。


母が同じようによく音楽を聴いていた。
彼女が、私に音楽を与えた。
小さなおもちゃのピアノと歌。

昨日まで、祖母と過ごしていたが、祖母はずうっと歌を歌っていた。

私と祖母はあまり似ていない。
似ているのは、まつ毛だけとこれまで思ってきた。

私と母も似ていない。

だが、私の生活スタイルは、祖母や母のそれと似ている。

私の音楽を愛する心は、彼女達からもらったものだと、この数日で気がついた。
私の人生の根底を支えている愛するものを、私は、彼女達からもらった。


それは、彼女たちがこの後この世を去っても、私の人生に残る。
ピアノを弾けば、そこに母はいるだろうし、歌を歌えばそこに、祖母はいるだろう。
彼女たちが教えた、彼女たちが好きなものは、どこから始まっているのだろう?
最初に音楽を愛したのは誰なのだろう?


自分の先を生きる人達から自分がもらったものは、なんと多岐に渡るのだろう。

愛にはいろんな形があるが、音楽を愛する心もまた、愛のひとつだなと、なんとなく思った。