必死になる方法

私は、ここ二週間、必死になる方法を探している。
理由はひとつで、その前の二週間にちょいちょい存在した自分の精神状態を再現したいからだ。

やたらハイパフォーマンスなメンタルコンディション。
愛しかない。
恐怖や不安を感じない。

脳内モルヒネがでまくっていたのではないかと思われるハイ状態。
創造力と直感に溢れた状態。
他人が一切気にならない状態。

いい仕事ができる状態。


どうやれば、普段、それができる?何が私に起きればいい?と考えた時、浮かんだ言葉が「必死にやる」だったからだ。


どうすれば、必死になれるかしら?
何も問題はない状態で、と、私は考えた。
すると次に浮かんだのは、中学生の時のお正月の自分の姿だった。

あれはプレステかファミコンか?
定かではないが、テレビの前に延々と座り込み、ドラゴンクエストというロールプレイングゲームをやっている自分の姿。
ほとんど寝ていない。
ご飯の時以外は、テレビの前から離れていない。

なぜだかゲームに厳しい父と母が、「謎は自分で解け。自分の頭を使え。解けないゲームの謎などない」と言い、我が家は攻略本は買ってもらえない家だったから、私は、延々と自分でやった。

両親はゲームをするなとは一切言わなかったが、彼らは、攻略本にだけ厳しかった。

彼らは、今考えると、やりたいことをやってりゃいいという感じだった。
それは、勉強でも、ピアノでも、ゲームでもよかった。
何でも一緒だと彼らは言った。


勉強も、やれとは言われた記憶がない。
彼らには、自分たちは困らないといつも言われた。
勉強は親のためにするものではなく、勉強しなくて困るのは本人だから、勉強したいならお金は出すけれど、好きにしなさいと言っていた。


娘が、高校には行かないと言った時、「あら、助かるわ。何をするの?」と笑顔で聞き返してきた曲者は母だ。
口達者な私をやりこめた数少ない記憶として、母は今でもその時の話を面白そうにする。
(私は黙って立ち去り、その日から家にいる間中、勉強していたそうである。)


浮かぶ記憶は、必ず、ヒントを持っている。