おばあちゃんの言っていたこと

一つ前とも少し関連するのだが。

現在、94歳の祖母が85歳くらいの時に言っていたことがある。
「Yちゃん、これからの方が面白いんじゃけえね。
 ここまでは、何も考えんでもいけた。
 ここからは、工夫がいっぱい必要じゃけん、面白いよ」

当時既に、だんだんとできることが減っていく中にいた祖母は、楽しそうに言った。
この人は、自分がボケていることに適応している稀有な人だ。
ボケたことを悲しんでいる様子はない。

そして、今でもいう。
「長生きしたい」

祖母と一緒に暮らすおば曰く、「笑いには事欠かない」(もう笑っておくしかない)出来事が日々起きているのだが、祖母は、長生きしたいと今も言う。

祖母の記憶は減っていく。
祖母ができることは減っていく。
祖母は体のあちこちに痛みを抱えている。

制限だらけの日々だ。

私の人生の中にも、少しずつ制限が生まれ始めている。

ここからが面白いのだ、と思う。
制限をリソースとして使え、と。