イエス、禿げに、打ち勝つ。

 

イエスはげに死に打ち勝った。


イエス、ハゲに、死に打ち勝った。


句読点って、大事よね。


句読点は大事よね。



今日、私が作ったRYUちゃんの洗礼式の式次第で歌う賛美歌の歌詞に、私が句読点を打たなかったせいで、「イエス、ハゲに、死に打ち勝つ」自体が発生した。


ジーザスが、はげと、死に、打ち勝ったという。

死に勝てるなら、はげには、楽勝で勝てるだろう。




その時、おっちゃんUさんが、前で式を進行していた。


式の真ん中くらい「さあ、みなさん、歌いましょう」と、誰でも知ってる表彰式でよく使われている勝利の歌のメロディの、いざ人よ、という賛美歌を歌うことになった。


なぜか、私の左隣に座っていたSさんが、全く歌っていなかったが、まあ、一番はノープロブレム。


二番にさしかかった時、おっちゃんUさんが、私をじっと見た。


私は、なによ?と思いつつ、歌詞に目を落とし、はっ!とした。


「イエスはげに死に打ち勝った」


おっちゃんUさんは、見事なまでに、つるっぱげである。


くくく、と、耐えた私に、右斜め後ろからRちゃんが、「なんで笑ってるかはわかってる」と、ボソっと呟いた。


私は、耐えられなくなり、顔を真っ赤にして、転がって笑った。

笑い死にしそうなほど。



歌い終わった後、ああ、おかしいと、私とRちゃんはゲラゲラ笑った。


すると、そこまで黙っていたSさんが、小さな声で「私は最初から気づいてましたよ。だから、歌えなかった。耐えるのに必死で」と言った。



句読点は大事である。




ちなみに、おっちゃんUさんが、私をじろっと見たのは、私のイエスが、YESと聞こえ、「ああ二番は英語で歌うの?」という意味だったらしい。



なんでやねん。




イエスは、げに、死に打ち勝った。