それだけで幸せ

 お母さまは正しかった。


最近私は、朝6時前に起きて、パソコンを開く。

正直、朝が来るのが待ちきれない。

こんな感覚は、長らく忘れていた。


若い頃、仕事が面白くてたまらず、仕事に行くのが待ちきれなかった時以来だ。



朝、体が勝手に、作業を始める。

英文翻訳か、または、その逆で、日本語を英語にする作業だ。


内容は全て、クリーンランゲージに関わるものだ。

私には、今、英語はそこでしか必要がない。


この情熱を、学生時代に持てたなら、ほとんど全部、落第ギリギリという素晴らしい成績を納めずに済んだことだろう。

私、英文科だったので(笑)


結局のところ、言語は、私にはツールでしかなく、興味がある内容でなければ、言語そのものに取り組む気にならないということだろう。


わがままなのだ。


それにしても、お母さまは正しかった、数年前の年末に、夫の家に電話をかけ、夫の母に、「あの子がようやく新しいやりたいことを見つけた」と言ったのは。


本人より先に気づいていたのだ。

これが、他の好きややりたいとは違うことに。


夢を失った娘の挫折を見ていて一番辛かったのは、もしかしたら、挫折した本人より、娘に小さな頃から夢を追いかけさせた母だったのかもしれない。



ともかく、ここ最近、朝が来るのが待ち遠しい。

何かの蓋が開いたみたいに、頭が自由に動く。



それだけで、幸せだ。