間があくと普通も新鮮

 すごく不思議な感覚なのだが、昨日、散歩していて、あ、と思った。

そして、あれ?なんか町が普通に戻ったなと思った。


まあ、ずっと普通だったといえば普通だったが、空気が普通に戻ったなと思った。

空気が軽かった。



私の側を、チワワを散歩させてる電動車椅子を使うおばあさんが通りすぎていった。

チワワは、ちゃんと、車椅子のスピードに合わせて、得意げに歩いていた。

あまりにチワワが得意そうだったので、私は思わず笑った。


街に高齢者の姿が増えているのに、私は気がついた。

しばらく忘れていたが、ここは高齢化が進んだ街で、高齢者の人数が他より多い。

しばらく町が若返っていたので、忘れていた。


また、自転車に乗る時は気をつけないといけないなと、私は思った。

いきなりバランスを崩して倒れてくる自転車に乗った人が、前は割といたからだ。



しばらく歩くと、すいませんと人に呼び止められた。

道に迷った女性だった。

私は道案内をした。


またしばらく歩くと、サッカーウェア姿の少年の集団が、自転車で前からやってきて、ぎゃあぎゃあ言いながら通り過ぎていった。


なんか普通やな、と、私は思った。

普通すぎて違和感があった。


普通も間があくと、新鮮だ。