侮辱された平和

 今日の話は、感情に配慮せずに書きます。



去年にも書いたけれど、流行病の死者数については、私自身は全く大事に捉えていない。

日本で一番死者数が多い、私が住む自治体が毎日発表する感染医療状況を、この一年観察してきた結果、今も死者数は大事ではないと考えている。


自分の77才の叔父が昨年末入院し、退院してきた後、さらにそう感じている。


亡くなっているのは、ほとんど7090才の方だ。普通の風邪で肺炎になっても亡くなる年齢の人達だ。

人には寿命がある。

この人たちは、ある時期から、重症者には、ほとんどがカウントされなくなった。

表に、ある日、死者として現れる。


若い年代も亡くなってはいる。

だが、ここしばらく、大阪の重症病棟に今いるのは、データによれば、2070代の人達だが、死者へ移行するのはごくわずかだ。

分母が増えれば、人数は増えるだろうが今のところは、2060代は、自殺や他の病気、事故で亡くなる人数の方がはるかに多いだろう。



私は死ぬこと自体はなんとも思わない。

個人の人生としてや感情の話は別だ。


死は常にそこにある。

この病気で死ぬ確率は、世界中を見ても、常にある飢餓や紛争で飢えて死んでいく人数より少ないのではないかと思っている。


なぜ、死者数で大騒ぎをしているかがわからない。

アメリカは、死者数がすごいというが、ベトナム戦争で亡くなった民間人、朝鮮戦争で亡くなった民間人、イランイラク、アフガニスタン、シリア、アメリカ人が1945年以降に戦争で殺した他国の民間人の人数よりずっと少ないだろう。


(ちなみに私は、アメリカは好きだ。これはただ事実を書いてるだけ。あしからず。)


数はどうでもいい。


(そこに伴う遺族の感情は別の話だ。)


私がオリンピックに反対しているのは、死ではなく、生きることが理由だ。


助かる助からないは寿命の話だとして、死ぬまでの過程は生きることだ。

それから医療も。


現場で対応する人達には、感謝はしている。

ただ、特別な感謝ではない。

社会や日々を支えるその他の人に感謝するのと同様に、感謝している。


だから、私がオリンピックに反対するのは、医療の人への感情ということでもない。


私は昨年春、たくさんの病院から受診拒否された経験がある。

それもあって医療を聖職だとは考えていない。

少なくとも、病院を経営する人は違うだろう。

私に手を差し伸べたのは、離れた場所でオンライン診療していた病院だけだった。

かかりつけのお医者さんは、受診拒否だった。

病院は診たければ診るし、診たくなければ診ないと私は知った。


日本は公立病院が少ない。

厚労省や医師会の方針で、過去長きに渡り、公立病院は減らされてきた。


いまは、医療もビジネスにすぎないと、私は思っている。

現場の人は別。


国が悪い。

ただ、それを許容してきたのは、興味を持たなかった自分たちだ。


ちなみに、パラリンピックもあるが、SDGsICF基準などに批准はしてるこの国の、障害者福祉も、カットされ続けている。

だんだん悪くなっている。

誰にも関係する高齢者福祉もだ。


もうからないものは、カットだ。


利益優先、お金優先できた国の中で、いざという時にも、政府が最初に守ろうとしたのは、やはり利益とお金だったように、私には見えた。


それが事態を長引かせている原因だと思っている。

今も、お金最優先の発想に、平和を使っていると感じている。



医療がビジネスでなければ、今、医療状況はこんなことではなく、この感染者数と死者数なら、マスクはしても、他の商業活動に制限をかけずに、ほとんど普通に生活できているのではないかと私は思う。


オリンピックもできたと思う。

高齢者の死者数も突出した人数のわけではないのだから。


自粛が無駄だと考える人の気持ちもわかる。

サービス業以外は、満員電車に乗って働け、けれど遊ぶな、だから。

そして電車に乗り続けてきたけれど、症状は出なかった人がほとんどなのだから。


なんせ、8割、無症状の感染症だ。


私がオリンピックに反対する最大の理由は、この国の医療がビジネスだからだ。


そして、ビジネスが理由で、政府が水際対策をまじめにやらないからだ。


オリンピックだってビジネスだ。

スポーツエンターテイメントビジネス。



私が腹を立てているのは、そこに、平和という、自分が特に重要視する価値観を利用していることだ。


平和で金儲けしようとしていることだ。

ささやかな日々の平和のための努力をしないで。



私は日本は好きだが、そういう国だと判断してるので、彼らが、オリンピックの感染対策をちゃんとやると思っていない。

そこは表には見えないし、儲けを生まない部分だ。


実際、テスト大会で、空港で選手をほったらかしている。

選手自身がインスタやTwitterにあげて文句を言っているのを見た。



そして、その後も、政府がちゃんとやると思っていない。


そして、この国の医療はビジネス。


だから、反対だ。

これは冷静に反対だ。


人が死ぬのは、なんとも思わない。

それが自分の知り合いでなければ。

死は常にそこにある。

いつもいつでも。



私が腹を立てているのは、こんな時期に平和で金儲けすんじゃねえ、平和を侮辱するなという、私個人の価値観だ。