忘れがちなコマンド。逃げろ。

ルーラ。

うまくいかない時は、環境を変える。


リレミト。

わからなくなったら、わからなくる前の場所に戻ってやり直す。


スクルト。

守りを固める。


パルプンテ。

普通の方法だけが解決方法ではない。

自分が全てを把握してコントロールできるわけではない。

委ねることが必要なこともある。

時の運もある。


さいごのカギ。

何がどうあろうと必要なものが手に入るまで、開かない扉がある。


仲間。チーム。

編成次第でできることが変わる。

人の中にある自分が持たない力に目を向ける、人の才能や長所を見る。

短所はほっとけ。

仲間の弱点は、自分が補う努力をしろ。

自分が最強である必要はない。

ただし、他人のコンディションには気を配り、自分も全力を尽くせ。


お金。

買えるものがたくさんあり、時間がショートカットできる。


世界樹の葉。

失敗しても終わりじゃない。

やり直せる。


レベル上げ。

時間をかけて、自分がつまらないと感じる小さな積み重ねの努力をすることでしか無理なこともある。ただし、効率的なやり方はある。


宿屋。

つかれたら休め。


せいすい。

大きな敵と戦う前は、小さな戦いは避けろ。

大きい問題を抱えている時には、力を残せ。



ドラクエが私に教えたことは多いが、知っておいてよかったことは、戦闘中のコマンドにある「逃げる」だ。


無理だと思ったら、すたこらさっさと逃げろ。避けろ。

倒す必要がなくメインでない問題で、今の自分に無理な話からは逃げろ。

必要のないダメージは負うな。


小さな私は、負けるのがいやで、レベルも足りないのにがむしゃらさだけでなんとかしようとし、もちろん、負け続けた。



また、この「逃げる」は、中学生の時、担任の先生も、交換日記の中に書いてくれた。


「人生の中には辛くて仕方のない時期もある。そういう時は、逃げることも必要。

ただ時が経つのを待つことが必要なこともある。

人生そのものからは逃げられないのだから。今は永遠じゃないのよ。耐えなさい。いつか必ず、白鳥になれる日が来るから。」



そして、二十代、ついに私は、逃げられないという噂だった人生から逃げだそうとして、そこで覚えた。


自分は、いつでも自ら命を絶つことができる。いつでも好きな時に終わりにできる。


そして、それが、私に力を与えた。

私は、その先にとんでもない光を見たからだ。


私は思った。

ならば、生きてみよう。

いつでも死ねる。

それなら、生きてみよう。

その先に、光が待ってる。

いつか、あの光の中にいける。

だから、生きてみよう。



ずいぶん後、三十代になった頃、私の結婚に多大に影響を与えたある人が言った。


「目の前から恐竜が歩いてきたらどうする?

恐竜には話は通じないわよ。

こういう時には、選択肢はただ一つ。

恐竜ハンターでもない限り、すたこらさっさと逃げろ、よ。

世の中には、恐竜がたくさんいるのよ。」



私がそれらを通して学んだことは。なんでもかんでも逃げだしたらあかんのではあるけれど、問題から逃げる、そもそもそれは解決する必要がある問題か、それともどうでもいい問題か見極めて、余力を考えて、向き合うか向き合わないか考え、無理なら逃げることも必要だということ。



ずいぶん後から知ったが、それが健康的な思考なのだそうである。

兵法でもある。


冷静に状況を見極めること。



なんとなく、これを今日は書きたくなった。