ワクチン体験記

区民センターでワクチン接種した私は、ワクチン接種して510分後、待機所の茶色い安っぽい昔ながらのパイプ椅子に座って、暇つぶしにブログを書き始めていた。


問診の時に、私は、昔一度、サバを食べてじんましんが出たことがあると言ったので、私の接種後の待機時間は30分ということになっていた。

アレルギーがない人は、15分。


私がブログに書いていたのは。


病気で病院に行った時にも、こんな質問されたことはないというくらい、ものすごく丁寧な問診が2回あったこと。

(データを集めてるんだなと感じたこと。)


やたらと検温したこと。

会場入り口、受付、接種前の3回。


誰が看護師で、誰がスタッフか、みな私服で見分けはつかないが、みな、ものすごく感じがよく、笑顔で対応していたこと。


注射は痛くなかったこと。



そして、それくらいまで書いて、私はあれ?と感じた。

舌が痺れてきたような感じがしたからだ。


それで私は、係の人に、「あの、大したことはないんで、言うか言うまいか迷ったんですけど、舌が少し痺れてます」と伝えた。


そして、また、パイプ椅子に戻ろうとしたら、係の人が「救護所に行ってください。お医者さんを呼んできますから」と言った。


救護所は、待機所のそばにパーテーションで仕切られていた。


私がパーテーションの中に入ると、すぐ、看護師さんとお医者さんがパタパタと来た。

救護所には、清潔そうなベッドがあった。


それから私は、ベッドに寝かせられて、この日4回目の検温と、血圧測定、酸素飽和度測定をした。


舌はその頃にははっきり痺れていたけれど、腫れてはいなかった。

頭も痛くなった。


お医者さんは、私の喉を見たり、舌を動かしてみたりしてから「舌の痺れは、時間が経てば収まります。腫れてないから大丈夫そうね」と言った。


アレルギー反応だそうだった。

普通のワクチンでもあるらしい。

ちなみに私は大人になってからは、なんのワクチンも打っていない。


それで私が「じゃあ戻ります」と、起き上がってパイプ椅子に戻ろうとしたら、お医者さんと看護師さんが、それまでの柔らかな表情を崩して、真面目な顔で「だめ、だめ」と口を揃えて、手を振りながら慌てた感じで言った。


「待機時間が終わるまで、ここで寝ていてください」とお医者さんは言った。


そしてそれからお医者さんは、「家に帰ってからも今日は一日寝ていて欲しい」と言った。


少しでも、いつもと違う何かを感じたら、「気のせいだと片付けないで」、動けるなら病院に、動けないなら救急車を呼びなさいと言った。


私は気持ちのいい布団に寝転がりながら、それを聞いていた。



そうそう、ブログがこの時、役に立った。

お医者さんは、いつ何が起きたか、時間を細かく確認してきた。

私は、ブログのために記録を取っていたので、それを見ながら正確に答えられた。



さて、それから家に帰って4時間、舌はまだ痺れていた。

少しましになり始めていたので、まあ大丈夫だなと思った。


そして、私は、あれ?と急に部屋が暑くなって、自分が汗をかいているのに気がついた。


クーラーを見たらついていた。


あれ?と思って体温を測ると37.6度あった。


私は、一度目は熱は出ないって、みんな(ワクチンをすでに打った人たち)言ったのに、しかも翌日からって言ったのにと思った。


体の反応、早くない?



そして、現在まで、熱は上がり下がりしている。


昨日までは腕の付け根、疲れたらリンパが腫れるところあたりが痛かったが、それは収まった。



不思議な感じの発熱だ。

熱が上がると同時に汗が大量に出るから、風邪で熱がこもる時のしんどさはあまりない。

熱のせいで、胸がたまに苦しかった。


去年の4月に経験した奇妙な感じと似ている。

多分、私、ものすごいアドレナリンが出てる。


今回の私の感想としては。

聞くと体験するは違うから、人の話はあてにならん、だった。


親がなんともなかったので、いけると踏んだが、舌が痺れたので、私は一度で接種終了することにした。


何人か医療関係者に確認して、そう決めた。


ただし、この私の反応は、このワクチンだから起きたということではなく、すでに普及している他のワクチン接種でも起きることだということだけ、書いておきたい。


これは、私の体質の話だ。




さ、次のワクチンは、黄色いバスでアフリカに行く時のマラリアとか破傷風やな!と、私は思った。


だから、今回も打ったのもある。



私は、自分の中で、自分の命をかけてもいいくらいの夢が育っていることに気づいた。


なんともまあ、幸せなことだ。



ま、結局、私の場合、だいたいのことのオチは、幸せだなで終わることになっている。

今回、死んでても、私は最後のブログにそう書いたと思う。


なんかよくわかんないけど、世界はそういうもんだ。

なんでもいいのだ、つまり、私、多分。

所詮、世界はバーチャルであるならば、自分が満足する方向に話を持っていけばいいのだ。

心の中はね。

(現実も割とリンクしはじめるけどね。)



明日には熱が下がるといいけどな。



熱が下がったら、私の世界は切り替わる。

気持ちとしては、さ、アフターパンデミックに突入だという気分。


カオスな世界を、笑って生き抜こう。