光る道という贈り物

「それはあなたの怒り?
それともお母さんの怒り?
あなたは、自分と他人の感情の区別がついてる?」

半分壊滅状態の自分と人生を抱えた20代のまだ半分女の子に、淡々と聞いたのはM先生。

あなたは自我が弱いというか、あなたの自我はどこにあるの?と先生は聞いた。
まるで、お母さんの感情に、あなたは乗っ取られているみたいだよ。
なぜ、あなたは、あなた自身の感情を感じようとしないの?


「僕の長年の臨床経験から、鬱病にかかる人は、人への期待値と依存度が高い傾向にあるように感じています。
あなたはどうですか?」

抗うつ剤から卒業できていなかった回復初期にいる半分壊滅状態の自分と人生を抱えた20代のまだ半分女の子に、淡々と聞いたのはM先生。


「自分すら幸せにできない人が、どうやって人を幸せにしますか?
あなたは、自分ができもしないことを、他人にはしろと強要するつもりですか?」

人の幸せを願う半分壊滅状態の自分と人生を抱えた20代のまだ半分女の子に、淡々と聞いたのはM先生。


「世界にはたった1人だけ、あなたが確実に救える人がいます。
それはあなた自身です。
その確実に救える人すら救えない人に、他人が救えるとあなたは思いますか?
本当にあなたが人を救いたいなら、なぜ、あなたはあなたを救わないの?」


臨床心理士になりたいと言った、人の幸せを願う半分壊滅状態の自分と人生を抱えた20代のまだ半分女の子に、淡々と聞いたのはM先生。


「今と過去は同じではありませんよ。
過去と同じようなことが起きているとしても、あなたが変わったのなら、今は過去とは違うことになるはずです。
今と過去とは同じではありませんよ。
あなたの脳が、間違えている。
脳に教えてあげなさい。
過去と今とは違うんだよ、と。」



あれから、私は、いったい何人に、同じ言葉を伝えたのかな、、、と、ふと思った。

たった1人との出会いが人生を変えることがある。
たったひとことが人生を変えることがある。


言葉が素晴らしいのは、言葉だけはどこまでもいけること。
例えその人がいなくても。
例えもうその人には会えなくても。



「あなたは明るい場所にいなさい。
あなたはロマンチェストだから、人の心の闇と向かい続けるには、きっと心がもたないのではないかと、僕は思います。
あなたを見ると、夢や希望が心に浮かぶ。
あなたは、人の心からそれらを引き出す方が向いているのではないか、と僕は思います。
闇を癒すことも、夢や希望を引き出すのも、どちらも同じ仕事だよ。
明るい光の下にある道を歩きなさい」


今朝、光る道、というメタファーがどこから始まっていて、どこからやってきたのかを私は知った。

それは、M先生からの贈り物だった。

気づきは、少し早いクリスマスプレゼントみたいだった。