基本の質問は8か9か12か?!
8か9か12か。
現在、私は、考えています。
8か9か12か。
さて、春のワークショップに、どの数字を選ぼうか?
話は土曜日から。
この前の土曜日、Inside Cleanというシンボリック・モデリングのオンライン教材を使った月一回の勉強会に参加していました。
その日の題材は、「特殊なクリーンな質問」。
文脈的にクリーンとか、条件付きな質問とか呼ばれていたりもします。
原文は、SPECIALIZEDとかCONTEXTUAL、CONDITIONAL。
私は、SPECIALIZEDを「用途限定」と翻訳していることが多いです。
その訳は、ファシリテーターに質問意図がわかりやすいと考えるからです。
そもそもシンボリック・モデリングで使用されている用語ラベルは、自分がわかりやすければなんでもよいということになっています。
これは学者が作った技法ではないからこその特徴ではないかと思います。
これは、シンボリック・モデリングの最大の特徴のひとつでもあると思います。
「使う」ことに価値が置かれているのは、彼らが最初に書いた本からも明らかです。
その本の中には、USEという単語が、イタリック(斜体)で登場するからです。
ファシリテーターが質問の区分けや質問の意図が理解できていればなんでもよい、好きに呼べ、ラベルにすぎない名前の話は時間の無駄だというのが、私の師匠、つまりシンボリック・モデリングを作った人たちの基本スタンスです。
「りんごをみかんと呼んでも、味は変わらない」みたいなものです。
ただ、みんなで話す時に、同じものの話をしているとわかるように、ラベルが貼ってあります。
でも、りんごにとって大事なのは、りんごという名前ではなく、もっと他に、大事なものがあるはずです。
そして、シンボリック・モデリングにおいて、質問についている分類ラベルがしている役割のひとつは、ファシリテーターをサポートするためです。
クライアントがなんの作業をするのをファシリテーションする時にその質問を使うのか。
デイビッド・グローブがしていたことが、全ての元にありますが、デイビッドの言葉はもっと文学的なメタファーでした。
例えば、ジェスチャーや目線、体の動きなどを、彼はまとめて、「(ダンスの)振り付け」と呼んでいました。
それを、彼に学んだ人たちが、ジェスチャーや目線などの一般化した言葉にしました。
誰もがわかりやすいように。
誰もが学び、教えられるように。
つまり、言葉選びの基本は、ファシリテーターにとってのわかりやすさ、だと、私は判断しています。
よりわかりやすい、一般的な抽象概念のメタファー。
ファシリテーターの「質問する」「ファシリテーションする」という行動を、よりサポートできる可能性が高く、より多くが理解できる可能性が高い、「ファシリテーター個々が、身体化できる可能性が高い」言葉。
質問ラベルは、質問の意図と一緒に、最初に覚えておくことをお勧めはしております。
後が楽だから。
果物と、パスタはどちらも食べ物ですが、栄養素が違います。
どんな時に食べるかも違いますね。扱いも違いますね。
それは知っていると助かりますね。
というような感じです。
りんごが、果物の仲間なのか、パスタの仲間なのか、それを知るのと、質問のカテゴリーとラベルを覚えるのは同じ話です。
クリーンな質問を覚えるのは、りんごのことを覚えるのとそう変わらない作業です。
ファシリテーターが覚える時に、身体化できる体験を伴えば。
食べたら何が起きるのか?
質問したら何が起きるのか?
りんごは、果物ですか?パスタですか?
りんごの味は食べてみないとわかりません。
味に対する反応は人それぞれです。
押し付けられて食べる食べ物は、美味しいこともありますが、ある食べ物が必ずしも万人にうけるわけでもありません。
だから、クリーンな質問は、押し付けることはできません。
それは食べたくないと言うことができます。
つまり、クライアントは、「答えがわからない」とか、「今、それは考えたくない」とか答えることができます。
ファシリテーターは、きっと、今は、りんごが食べたいのかな?とか、今はりんごが必要かな?とかを、クライアントの言葉から推測して、「りんごは?」とちょっと聞いてみるだけのこと。
ああ、話がそれました。
それで、クリーンランゲージの質問には特殊な質問があるのですが、基本の質問セットもあります。
これが、編集者により、数が違うのです。
日本で唯一、日本語で発売されている本では、基本の質問の数は12になっています。
本は、ウエンディさんという、私も大好きな優しい笑顔が素敵なトレーナーの人が著者です。
シンボリック・モデリングの成立過程にも、ウエンディさんは大きく寄与しています。
しかし、ウエンディさんが正解というわけでもありません。
この場合、ウエンディさんのモデルだと、12が正解ということでしかありません。
基本の質問は8と9の場合も多々あります。
ペニーとジェームズは、昔は9を採用していましたが、今は8。
いずれにしても日本語にすると、訳の関係で、質問は少し増えます。
日本語では、主語に何が来るかで、存在を表すbe動詞は、「いる」「ある」の使い分けが必要だからです。
そして、クリーンランゲージの質問で使用されている主な動詞は、be動詞です。
さて。
勉強会は、例により、ペニーやジェームズ、マリアンから直接習った人たちは、どうなっとんねんと笑っていました。
そして、ああでもない、こうでもない、私はこう思うと好きに言いました。
正解がないことを、知っているからです。
「質問を基本と特殊に分けている基準はなんだ?」が、私個人の疑問でした。
そして、勉強会後、私は頭を抱えました。
8か9か12か。
さあ、春使用する質問リストに、私はどれを選ぶ?
そうして、私がもう一度始めた作業は、クリーンランゲージの質問の意図、目的、使用条件を細かく復習することでした。
私が知る全てを、日本語で、言語化できるように。
そうして、ペニーの顔が浮かびました。
「ゆかり、シンボリック・モデリングやクリーンランゲージを教えている、私たちが教えたトレーナーが共通して理解できていることは何だかわかる?2つある。」
「ゆかり、トレーナーがものすごくしっかり理解しておく必要があるものは1つだけ。何かわかる?」
「難しくないわよ。」
2つのうちの1つ、理解すべき1つは、クリーンランゲージの質問です。
全ては、そこから始まったのだから。
もう一つは、クリーンなスタンスです。
この二つ以外は、トレーナーごとにやりたいことをやっています。
使用モデルも、大筋は同じですが、細かいところは人により異なります。
だからして。
つまり、春のワークショップで、私が、参加者が身体化させるのを手伝う必要があるのは、クリーンランゲージの質問です。
質問が身につくのを手伝う必要があるもの。
頭と体を結びつけておく必要があるもの。
さあ、3日間でできるのは、何個だ?
8か9か12か?
なんで基本の質問セットの数がいくつもあるんや?!と、私は笑いました。
ベイビー・トレーナーにとっては、これが唯一の正解だと、決めてくれたら楽だったのに!
「君の仕事は、25年前の僕たちがしたことと同じこと。君は僕が自分の仕事を、他の人にやらせたことがあると思う?」
自分の仕事は自分でやらんかいと、にやにや笑ったジェームズの顔が浮かびました。
さあ、どう分ける?
どう話を組み立てる?
どうやれば、3日間で、その人たちは、質問を身体化できる?
私の相手は全員、日本語を話す。
クリーンランゲージの質問を説明することが、私の最大のミッションだと、トレーニングが始まる前に、私が深く自覚できたことはよかったとしましょう。
もう一つ、クリーンなスタンスは、私がやってみせて、覚えてもらうしかありません。
私がその日、どこまでクリーンでいられるか、私のチャレンジは当日。
いられる自信はございます。
それが自分の身につくまで、私は待ちました。
温かいままで、私のままで、クリーンでいられるようになるまで。
だから、話は、8か9か12か。
それとも、他の数字か?!
さあ、いくつ?!
いくつなら、日本語を話すファシリテーターをサポートできる?
さあ、いくつ?!
サイコロでも振りましょうかね。
ぶっちゃけ、初心者さんに絶対に覚えて帰ってもらいたいのは80%以上、それしか使わない4つなので。
4つと最初の1つだけで、セッションはできます。
だから8か9か12か?!