「知覚者」についての翻訳練習シリーズ (1)

「知覚者」についての翻訳練習シリーズ 

Metaphor in Mind(James Lawley &Penny Tompkins)より抜粋

*英語原文は、本を購入してご確認ください。

Chapter2:Models We Create By

1.What is modelled  P.23より

 

メタファーは、人生を理解するための基本的手段です。

クライアントが、自分と寄り添って生きているメタファーを明らかにしたり考察したりすると、そのメタファーの情報を使って、自分や他者、もしくはそれよりも大きな物事の枠組みを知覚したり認識したりする(perceive)方法と調和するモデルを構築することができます。


言いかえるならば、メタファーは、そういったものがその人にとってどのような存在であるかを表す「形」をもたらすのです。形が現れたその結果、クライアントの自己象徴モデル(a symbolic model-of-self)、つまり、メタファー・ランドスケープが現れます。メタファー・ランドスケープは、その人が「世界を生み出す」方法です。

 

メタファーは、思考、感情、関係性、複雑な振る舞い、また、主に物質世界の働きに由来する抽象概念の描写に利用されてきました。


物質世界とはつまり、内的または外的な出来事、時の経過に伴う変化の結果として、あるところに、なんらかの特徴を持つ「形」の数々が存在する世界です。


さらに、日常の言語やそこにある思考は、観察されるものとは分離している(メタファーの)観察者に依存します。


要するに、主体(主語/a subject)と客体(目的語/an object)は別なのです。


どうやら、モノ、場所、出来事、観察者をメタファーの源泉として利用するのは、世界共通のようです。そのため、私たちは、「メタファーの形」、「空間」、「時間」、「知覚者」がメタファー・ランドスケープを構成する象徴的な知覚の原材料ではないかと思っているのです。



_______________________


2.SYMBOLS  P.31より
 
シンボルを知覚する最小構成単位は、知覚されたシンボルが一つ、そして、(そのシンボルを知覚している)知覚者一つです。

もし、クライアントが、「まるで、自分が城門の後ろにいるみたいなんです」といえば、「城門」というシンボルは、「自分」という知覚者によって知覚されています。

そして、この「自分」の知覚点point of perception)は、城門の「後ろ」(そして、おそらくは、城の内側)に位置しています。

知覚者は、特別な種類のシンボルとして取り扱います。
・・・特定の場所から、特定の方法で、他のシンボルを知覚することができるという特徴を持つシンボルとして。

一般的に、メタファー・ランドスケープは、多数多様で複合的なシンボルから構成されており、ほとんどのメタファー・ランドスケープには、複数の知覚者が存在します

そして、それぞれの知覚者が、独自の知覚を持っています。