「大切な人を失う恐怖とそこに対する自分の無力感」という「問題」が生み出したあれこれ

 私のクリーンランゲージの先生のひとりは、マリアン・ウェイと言います。

一番関わっている先生です。

担任の先生みたいな感じでしょうかね。


この方、根っからの先生で、前職も学校の先生だったかと思います。

彼女は、生徒との交流が好きで、ものすごく面倒見がいい。


さて、ある日のこと、私はマリアンと話していました。

私は、マリアンにも言わねばならなかったからです。

「長生きしてください!」と。


「みんなが死ぬのを知りたくないので、私の無意識は、そこから逃げ出すために、クリーンランゲージをやめようとしていたらしい」という私の話を聞いたマリアンは大笑いしました。


「何?あなた、私たちがもうすぐ死ぬと思ったの?!」


私は、何度も、in the future(未来で)!と言いました。


マリアンは、言いました。

「約束するわ。長生きするわよ」
3回くらい言ってくれておりました。


それで、私の気はすみました。


そして。


それから、私は、マリアンに、4月から仲間と一緒にする4回のワークショップについての相談を始めました。


恐怖は解消され、足を一歩、前に進めたのです。


そのワークショップで扱う話の内容は決まっています。
クリーンランゲージの質問を使ってするシンボリック・モデリングの「PROモデル」というモデルです。

一旦、自分たちでプログラムを作ってみたのですが、私の中で、何かがひっかかっていました。



私の話を聞いたマリアンは、その1回目のワークショップに対しての私の「メタファー」を、数問、クリーンな質問を使って確認しました。メタファーは、「打ち上げ花火」です。

ちなみに、この「打ち上げ花火」は、マリアンは生まれた瞬間を眺めていたので、「ああ」とすぐに言いました。
メタファーは、人の記憶に残ります。



その後、マリアンは、私に問いかけました。

「なんで、トレーニングではリソースから話を始めるか知ってる?」


私は言いました。

「安全だからでしょう?」


マリアンは言いました。

「・・・トレーニングでは初心者がやるのに、それが一番簡単だからよ。でもね、自分のリソースを見つけられない人もいるわ」


でもね、とその後、マリアンは続けました。

そして、さらにその後、言いました。


「私だったら、こうするわね」


そして、マリアンは、言いました。

「誰もが一番慣れ親しんでいるものよ」


というわけで、4回のワークショップ、名前は「PR2Oフェスティバル」は、「誰もが一番慣れ親しんでいる」ものからスタートすることにしました。



その後、マリアンは、「それで、だから、最初の質問はこう。次の質問はこう。・・・」と話を続け。


40分後、私は言いました。

「そのまま、これをやります!」



というわけで、私と仲間が最初に踏み出すその一歩は、「マリアンが作ったプログラム」ということになったのでした。


ふと気づけば、PR2Oフェスティバル、何気に豪華なサポートメンバーと言うことになりました。ジェームズとペニーとマリアン。

私はすっかり大成功した気分。
もはや、仲間や参加者の人と一緒にニコニコ楽しんでいる自分しか浮かびません。
参加者の人も笑顔。仲間も笑顔。
自分も笑顔。


その後、「一度、この流れでやってみて、それを録画して、ペニーとジェームズに見てもらいなさい。そして、そのあと、Clean Campusで、みんなに付き合ってもらって何度か練習をしなさい」とマリアンは言いました。


英語で・・・?

無理、無理!
というか、時間を測るのに日本語でなければ測れない・・・。


その後、私は、「ああ、そうか。台本を英語で作って、内容をペニーとジェームズに添削してもらうことはできる、それから、日本語のわかる人たちに見てもらうことはできるな」と気づきました。



それからマリアンは言いました。

「それにしても、ずいぶん、ギリギリのタイミングね。4月17日なんてすぐじゃない」


私は言いました。

「もっと早くから決まっていたんです。でも、私が、恐怖に捕まってストップしちゃっていたから・・・」





話はあっちゃこっちゃ飛びますが、今日書いた全ては、「大切な人を失う恐怖とそこに対する自分の無力感」という私の超ビッグ問題が、その始まりです。

この問題が生み出したものは、愛だらけ。
というか、この問題にしか生み出せなかった美しい世界があったような気がします。
だって、その問題の根っこは、私が「人を愛せる」ということを教えてくれているから。

つまりは、私の「愛」の根っこと、その問題は繋がっていたのです。

(と今はわかるのです)

起きていたことは、明らかに「問題」でした。
けれど、「問題」の根っこは、「問題」ではありませんでした。
そこにあったのは、私の愛。



そして、「長生きしてね」と私が言いたかっただけらしいためにセッティングした会話の数々は、「次の一歩」のための様々なものを生み出しました。



その一つ。
マリアンが、このために作ってくれた新しいプログラム。


最初に打ち上げる花火は、「問題」です。


誰もがよく知ってる、PROモデルでも、一番見分けが簡単なもの。

それは問題。


そして、マリアンいわく「日本に行ってトレーニングしたことがあるけれど、日本の子たちは、なぜだか、問題について問いかけるのを避けようとするわね」という言葉。


それから、ジェームズも言っていました。

「恐れを抱いて、それでも、(問題について)質問しなさい」



望み重視のアウトカム志向の技法の中で「問題」を探究する方法。
話をそこから始めます。

誰もがよく知っているもの。

何にも難しくない話。
すぐ覚えられる。


そして、おそらく、このフレームはすぐ使えます。
後から見直してみたら、たった3つのワークの中に、マリアンがシンボリック・モデリングの基本の流れを全部つっこんでくれていることに気づきました。
これならば、説明ではなく、体で、シンボリック・モデリングの流れを一発で体験できる。



到底、自分の中からは生まれなかった流れのプログラムです。



そして、私は、「長生きしてください!」と言いたいのでなければ、今、このタイミングでは、ペニーにもジェームズにもマリアンにも連絡はしませんでした。

問題が秘めている力はすごいです。というのが、個人的感想。
この個人的感想について、詳しくは、知覚者が絡んでくるので、また別の話で。