「ゆっくり考える時間が欲しい」さて、どこに注意を向けますか?|注意を向ける

誰かが「(私は)ゆっくり考える時間が欲しい」と言ったとき、さて、何を質問しましょうか?

クリーンランゲージは誘導はしません。

ですが、相手が「どこに注意を向けるか」だけは、最初から最後まで、相手を誘い招き続けます。

「ちょっと、これに注目してみて」と。

その注目するもの、注意を向けるものは全て、「クライアントの言葉」です。


(非言語表現や空間も使います。いずれにしても、本人が表現したそのまま)


最初の一問だけは違います。
最初だけ、注意を向けるものを、こちらが導入しています。

「あなたは、何が起きれば好いのでしょう?」

この質問、二つのものに注意を向けているのがわかりますか?

さて、何でしょう?


はい、正解!

「あなた」

そして、

「起きれば好いこと」

です。

今から、他の誰でもないあなたの話をしますよ。
そして、未来の話をしますよ。

この質問はそんな感じです。
質問の効果は、この質問を問いかけられた人たちにはわかります。
これが、どれだけおかしな妙な質問なのか、そして、インパクトがある質問なのか、それは、問いかけられればわかります。



さて。

誰かが言いました。

「ゆっくり考える時間が欲しい。」


この発言には、次の2つが含まれています。


「その人が価値を認めるもの」=ゆっくり考える時間

「望む言葉」=欲しい


そして、欲しいからには、この人は「今、それを持っていない」


つまり、この発言は、シンボリック・モデリングの定義では、「望むアウトカム(結果)」ということになります。

迷わず、発展させていい発言です。


では、少し発展させてみましょうか。
そうですね、使う質問は、これにしましょう。

「そして、その[X]について、他に何かありますか?」

*Xは、クライアントの言葉です。


この質問は、クリーンランゲージの基本9つの質問の一つ。
一番最初に習うことが多い質問です。

デイビッド・グローブはこの質問を、「友」と呼んでいたそうです。

なぜかというと、この質問は、オールマイティに近いから。
最初に習う理由も、練習中、どの質問を使っていいかわからなくなったら、とりあえずこの質問をすればセッションが続けられるからです。

この質問には、非常にたくさんのバリエーションがあります。

さて、今、使う質問は決まっています。

さて、あなただったら、何について質問しましょう?
Xのところに、何を入れますか?


言葉を変えましょう。

あなたは、相手の注意を「どこに」向けるように誘いますか?


相手の注意を向ける場所、それが、[X]の中に入る言葉です。

自分が問いかける質問を考えるよりも、この[X]の中に入れる言葉を見つけ出すことが、重要任務です。

「ゆっくり考える時間が欲しい。」

さて、どこに注意を向けましょう。

先に書くと、「ゆっくり考える時間」はすでに抽象概念のメタファーっぽい発言です。

これは、「自分がゆっくり考えることができる時間」を縮めた表現だと推測はできます。
でも、クリーンランゲージを使うときは、そうは捉えないからです。

相手が言った言葉を「そのまま、言葉通り」に捉えます。

だから、この時間は、「ゆっくり考える時間」というモノなのか空間なのか、正体はわかりませんが、とりあえず、「ゆっくり考える時間」なのです。


さて、さて。

あなたが、「そして、あなたは何が起きれば好いのでしょう?」と問いかけた。

相手は、「ゆっくり考える時間が欲しい」と言った。

そして、あなたは、「そして、Xについて他に何かありますか?」と問いかけます。

さて。

Xには何が入るでしょう?
あなたは、どこに注意を向けるように、相手を誘いますか?


例によりまして、正解はありません。


そして・・・

A:ゆっくり考える時間が欲しい について、他に何かありますか?

B:考える時間が欲しい について、他に何かありますか?

C:時間が欲しい について、他に何かありますか?

D:欲しい について、他に何かありますか?

E:ゆっくり考える時間 について、他に何かありますか?

F:考える時間 について、他に何かありますか?

G:時間 について、他に何かありますか?

H:ゆっくり考える について、他に何かありますか?

I:ゆっくり について、他に何かありますか?

J:考える について、他に何かありますか?


ザクっと考えただけで、以上、10通りあります。
そして、この10通り、注意を向けてもらおうとしている場所が、それぞれ違います。

(ここに構文、シンタックスをくっつけると、さらに数は増えます。技が増えます。)


さて、どこに注意を向けましょう?

何を探究しましょうか?

入り口を変えると、探究の旅のプロセスは変わります。


さあ、「ゆっくり考える時間が欲しい」その人が、「ゆっくり考える時間」を手に入れる探究の旅のプロセスの始まりです。

どこを、何を、いつを、探究することから始めますか?
どこで、時間を止めますか?


さあ、どうしましょうか?

練習するときにでもお試しを。

面白いことが登場すると思います。