「〇〇さんは、頭を切り替えるのが早いっすよね。どうやってんですか?」の答え

これは、会社で働いていた頃、ちょっと下の後輩に言われて気がついたこと。

それに気がついた後、そうなん?と思って、他人を観察していたら、あらほんとと思ったこと。


何か目の前で出来事が起きたとして。

出来事をAとしましてね。


そのAに反応した後の人の思考が分かれるという話です。


まず、Aを見ます。そしてAに反応します。無反応も反応です、この場合。

そこまでは一緒。

その後。


Aについて考え始める人と、次を考える人に分かれたんですね。

Aがなぜ起こったかとか、Aの意味はとか考える人のグループ。

それから、Aが起きた、じゃ、次どうしよ?と次を考え始めるグループ。


時間でいうと、Aの地点で時間を止める、または、Aより前の時間に戻るグループと、Aより前に時間を進めるグループに分かれたのです。

意味で言うと、Aという事象に意味を持たせようとしたグループと、事象の意味は考えないグループ。


私自身については、その当時は、後のグループです。

事象の意味は考えなかったというか、立場的に、考えている時間がなかったとも言えます。

次を考えるのが仕事だったから。

自分の指示を待っている人たちがいたからです。


もちろん、自分の感情は動いてますので、Aについては感じるところがあったりすることもたくさんありましたが、構っている余裕がありませんでした。

Aがショッキングな出来事だったとしても、一緒になってわあわあ言っていたら、あとでえらい目に合いますので、自分の感情はひとまず置いておくしか方法はありませんでした。

あとで、飲み屋さんで、友達相手にわあわあ言うことにしていました。


その後、会社をやめた後、私は、シンクロニシティという概念を知りました。共時性とも言います。

人と人の波長が同調して起きる物事。

偶然とかたまたまは、偶然でもたまたまでもなく、波長が同じ人同士が同調するという概念です。

Aは偶然起きたのではなく、関係者一同がシンクロして起きた出来事ということになります。


それから、全ての物事には意味があるという概念も知りました。

起きる出来事は全て必然で、何かの意味がある。

Aが起きるのは必然です。


それらの概念は、かなり新鮮で、私も取り入れて使っていた時期があります。

面白かったです。


しかし、あるとき、私は思いました。

これ、思考が遅れるな。

それらの概念は、Aの地点で時間を止めるか、または、Aの地点から時間を戻す必要がある思考だと気づいたからです。


それで、元々の自分の思考に戻しました。

つまり、Aはただの事象として扱い、Aに意味を持たせるのを辞めたのです。

出来事には意味はない、意味は自分が作るという、自発的な意味づけの方を再び採用したのです。Aをその後、どういう意味に持っていくかだけに集中することにしたのです。

Aそのものには、何の意味もない、と。


Aの地点で時間を止めても、実際のところ、やっている作業は同じです。

だから、作業的には同じなのですが、いつ意味づけをするか、そのタイミングが分かれることによって、「次を思考し始めるタイミングが変わる」と、私は気付きました。


思考については、何を、どのように考えるかというのも重要ですが、いつそれを考えるかというのも、割と重要ポイントです。

人生については好き好きで問題なかろうと思うのですが、お仕事に関しては、確実に、次を早く考え始めた人が有利です。長く考えられますし、タイミングを見計らうこともできますから。


長らくの時が経ってしまったけれど、私は、頭の切替が早いという言い方で表されているのは、「次を考え始めるタイミングが早い」とも言えるかなと思いました。

最初に書いた後輩が私に言ったのは、「〇〇さんは、頭を切り替えるのが早いっすよね。どうやってんですか?」だったからです。


今朝、今なら、教えてあげられたのにな、と思いました。

「次。すぐ次を考えんねん。起きたことは起きたこと。じゃ、次どうする?って。頭の中で質問すんねん。」

読んでるか読んでいないかは知らないけれど(多分、読んでないだろう)、これが、十数年前一緒に働いていたあなたが、どうやってんですか?と私に尋ねてきた質問への答えです。


誰かが自分に投げた質問って、ずっと覚えてるもんだなと、また一つ、後輩に気づかされて今日は終わり。