悩むの細分化
「今、これを悩んでて」とか、「私の悩みは」とか言う時の、悩む。
あるいは、悩んでるとはっきり言葉になっていなくても、何かをぐるぐる考えている時の悩む。
セッションを続けているうちに、私は、この悩むには、実にたくさんの種類があるなあと感じ始めた。
クライアントさんは、悩みとひとことで説明する。
それは、何か考えを表していて、その考えには種類がある。
やがて、私は、悩む、悩みの種類を細分化しはじめた。
人が悩む時、何か困っているには違いないのだが、思考の中で行われている作業はさまざまだったからだ。
よくよく話を聞けば、たとえば。
答えがわからなくて、ただ困っている。
困っていることに気づいていなくて、ただモヤモヤしている。
何か選択をしようとしていて、選択肢を選んでいる。
何かを検討している。
何かで傷ついて、心がそこから回復しておらず現実に影響が出ている。
目的ははっきりしているが試している手段が上手くいかず、他を模索している。
やるべきことははっきりしているが、勇気がなかったり、何らかの理由で思いきれない。
時が来ないことに焦っている。
など。
焦っているのと、困っている、傷ついているのは別のことだが、本人の状態としては、悩んでいるだったのだ。
時には、複合型の悩むも存在した。
やがて私は悩むを細分化する手伝いをすると、対策がとりやすくなることに気がついた。
複合型の悩むも、単体にばらした方が対応しやすくなる。(本当はそれぞれ別の話でも、本人の頭の中では、悩むくくりで一つになっていることは、往々にしてある。)
それらは、言葉を使って行われる。
私は、質問するだけだ。
何しろ、頭の中は見ることができないから。
その悩むの正体をまずは明らかにすること。
感情の細分化や分離は、それまでも意識していたが、悩むそのものに気づいたのは、クリーンランゲージ&シンボリックモデリングを学びはじめた後だった。
そしてやがて、悩みの正体が明らかになると、私自身も手伝いやすくなることに気がついた。
何にせよ、自分の目の前にその人がいるからには、その人は自分のサポートを希望されているわけだ。
私は何を手伝えばいいかをまずはっきりさせて、それからやり方をクライアントさんと相談して決めることにした。
それでその頃、話だけのセッションをやめた。
悩むの内容によっては、介入が必要な場合も、ワークが必要な場合もあったからだ。
セッション内容は広がりを見せて、コンサル系のセッションが増えた。
ちなみに、私が、自分の相談業務を、セッションでくくっていて、コーチングやカウンセリング、コンサル、占いなどの専門に分類していないのは、私のセッション内容には、それらのどれもの要素が含まれるからだ。
クライアントさんと言葉や空間を使ってセッションするその作業で、私は自分の仕事の名称をくくった。
自分に、コーチやセラピスト、ファシリテーターなどの肩書きを使わない理由も同じだ。
悩むを細分化するのとは逆のこと、細分化の反対を採用した。
幅広く対応できるように。
それは、自分なりに、日本の環境を考えた結果だ。
悩みに悩んだ時期が、過去にはあった。
あ、悩む。
この悩むは、模索する、試行錯誤する。
話を悩むに戻そう。
悩むの正体をはっきりさせると、次の手が考えやすくなるから、割とおすすめだ。