囲い込まないビジネスモデル
私が関わる仕事のひとつのビジネスモデルとして、クライアントの囲い込みがある。
スタンダードなやり方だ。
私は、このモデルは採用してこなかった。
このモデルが非常に機能することは理解していた。
けれど採用しなかった理由は、クライアントの利益と機会の損失にあたると判断したからだ。
個人的な考えだ。
むしろ必要な時だけ自分を使ってもらい、どんどん他の人のところにも行って欲しいと思ってきた。
その方が効率がいいと。
それぞれの人に得意ジャンルがある。
そして、人生の中で何かを癒そうとしたり、進めたりしようとしたりする時には、いろんなジャンルの話が関わる。
セッションの提供者には、心理面に強い人もいれば、現実面に強い人もいる。
癒し系もいれば、お尻を叩くのがうまい人もいる。
セッションは大きくわけると、癒し系とコーチング系に分かれるが、それは両輪だ。
何かを癒したい時、過去を癒すと同時に、今の現実を進める方が、話は早い。
過去は心の中にあり、今は現実の中にある。
そのどちらが得意かは、人によって違う。
できれば、どちらも同時に進めてもらうのが、クライアントの利益が一番大きいと、私は判断していた。
セッションをはじめた初期の頃、時々、リピーターのクライアントさんが、他の人のセッションを受けたことを申し訳なさそうに報告してくることがあった。
私は、それが不思議だった。
その人自身がその人の人生を考え、そこに必要だと思うことを選び利用することの何が申し訳ないのかがわからなかったからだ。
それは自立している証の行動に思えたからだ。
素晴らしい。
しかし、それをきっかけに、囲い込みはしないとはっきり決めた。
自分の性格的にも合わないと思った。
では、どのようなモデルが自分には合うのか?を、私は長らく考え続けた。
一期一会。
それかな、と、途中から思った。
クライアントを自分に依存させないことだけを考え続けた。
どうやれば、それが可能になる?
私に依存したのでは意味がないと私は考えた。
長い長い問いを解決したのは、クリーンランゲージとの出会いだった。
そして、それから、私は、私のモデルを再び考えはじめた。
気がつけば、セッションを始めてから、10年の時が流れていた。
最近、私は、再び確認した。
囲い込みはしない。
そして胸に温かいものが満ちた。