透明人間

赤ちゃんや子供だったことがない大人が沢山いるんだなあ、、、と時々思います。

また、他人に迷惑を一度もかけたことがない人もたくさんいるんだなあ、、、と思います。

すごいなあ、、、と。


赤ちゃんや子供、それから他人がいかに迷惑かという話をインターネットで見ることは、見ようとしなくても度々ありますが、もしもそれらが本当に起きていることだとしたら、すごい人がたくさんいるなあ、、、と妙に感心してしまいます。

赤ちゃんだったことがない人には、赤ちゃんが気をつけられないことは、もちろんわかりません。
ちっとも泣かない赤ちゃんだった人は、たくさん泣く赤ちゃんの気持ちも、もちろんわからないでしょうし、そういう赤ちゃんを抱えて、周囲に気を配る余裕など失くしてしまった親の気持ちも、もちろん想像できないことでしょう。


他人に迷惑をかけたことがない人は、子供だったことはなく、いきなり大人で生まれたか、よほど誰とも関わらずに生きてきたか、または、よほど感性が鈍くて、迷惑をかけたことに気づいていないか、または、透明人間か、そんな感じかしらと想像します。

自分は迷惑をかけたことがないのだから、迷惑をかける人にキレ、責めたてるのは、そりゃ当然だわねと思います。


私は、赤ちゃんで生まれ、子供を過ごし、電車の中で人にぶつかったり、まあ、いろいろ迷惑もかけているので、他人が自分にかける迷惑は、そりゃ仕方ないと思えるのですが、大人しか過ごしたことがなく、誰の手も借りずに生まれた日から生きてきて、仕事で失敗もしない、何の失敗もしない、老いても全て自分のことは自分でして、死んだ後も自分でお墓に歩いていって埋まることができる人にとっては、迷惑をかけられる怒りはまあ、いたく当然のことだわね〜と思うのでした。


当然、そういう人は人数は多くないと思われ、自分の周りにはひとりもいません。
私の周囲には、赤ちゃんで生まれ、子供時代を過ごし、ごめんなさいという人に迷惑をかけた時に使う言葉を使ったことがあり、自分の心に余裕がない時もある、いたく普通のホモサピエンスしかいません。

そのため、周囲は、笑い話で、こんなことがあったとか、むっちゃ迷惑、とか言っていたりはしますが、過去の一時だけ起きたことで、繰り返される可能性が低いことで真剣に怒っている人は、まあ、見ません。

私は主にネットの中でしか見たことがありません。
必ず、名前がわかりません。


その人は、まず、赤ちゃんで生まれないという時点で、子宮では育てられないため、かなり珍しいので、その人は、私の知るホモ・サピエンスではないので、姿を見せれば実験動物にされてしまうため、ひっそり隠れる必要があるわね、仕方ないわ、と思います。

また、外に出れば、誰でも他人に迷惑をかける可能性はあるため、人生で一度も外には出ていないということでしょうから、中々、会うことは難しいでしょう。
外に出る時は透明でなければいけません。


人は見た目でも、人に不快感を与えたり、迷惑をかけたりすることもできるからです。
自分が迷惑だと感じることと、他人が迷惑だと感じることは、同じとは限りません。
だから、全ての人に迷惑をかけないでいようと本気で思うなら、もう透明人間でいるしかありません。


だから、会えない。。。
いても見えない。

きっと、透明マントを持っているのです。


ネットでしか見ないので、透明人間といえば透明人間だけれども、いきなり大人で生まれた人間は、少し興味があるから、「見てみたい」のだけれど。

小さな王様のはなし、または、ベンジャミンバトンの世界は本当に存在するということでしょ、と。

でも、中々ないことだから、ものがたりになっているのであって、ネットの中に溢れる怒りを直接見ることは、中々ないことなのよねきっと、と諦めました。