PROの例の答え
PROの復習で書いた例について。
答えが気になっている人がいるかもしれないので、答えというか、「私だったら次はこう質問する」を。正解はありません。色々考えられます。私だったらこうするかな・・・というもの。
(これ、色々な質問をするファシリテーターがいるので、「組み合わせの妙」でいろんなことが起きる部分があるので、あんまり、どういう質問をするのが正解なのかは気にしない方がいいです。
何について、どんな意図で、質問するかは、常に考える必要があります。)
「もう、すっかり人生が嫌になってしまったんですよね。それで、ちょっと気分転換に旅にでも出たらいいなと思ったんですけど、やっぱり時間もないんですよね。豊かな人生の中にいる自分を想像すると幸せなんですけど、でも、やっぱりそんなの幻想なんですよね。それに、私には、豊かな人生を望む価値はないんじゃないかって思ったりもするんです。だって、今までずっとそうだったし。」
(私の分類を色付けしています。プロブレム / レメディ /リソース /(クライアントが)望んでいるアウトカム)
以下、私のする質問です。
「そして、人生が嫌で、気分転換に旅にでも出たらいいな、でも時間がない、そして、豊かな人生の中にいると幸せ、そして、豊かな人生を望む、でも価値はないんじゃないか、そして、豊かな人生の中にいると幸せで、豊かな人生を望む。
そして、豊かな人生の中にいると幸せで、豊かな人生を望むとき、
その豊かな人生はどこにあるのでしょう?」
今、その人が想像できるアウトカムから、話をスタートします。
クライアントは、「豊かな人生の中にいる自分を想像できる」と発言の中で言っています。
私やあなた、は、プロブレムとしても表現されているので、最初の質問からは省きます。
私、が、特にプロブレムを含んでいる表現の中に入っていないときは、この最初の質問に、私は「あなた」を付け加えます。
こんな感じです。
「そして、あなたが豊かな人生の中にいると幸せで、あなたが豊かな人生を望むとき、その豊かな人生はどこにあるのでしょう?」
これは、後から、その人生の中にいるその人の場所を見つける予定があるからです。
その人は人生の「中に」いると幸せだと言っています。
そうであれば、クライアントのアウトカムが発生するためには、人生の「中に」その人を入れる必要があるからです。
(おそらくは、クライアントはその中に今はいないのだろう、少なくともその中にいると感じてはいないという推測は、「想像する」という単語から暗示されてはいます。だから、その「中に」入るタイミングで何かあるかもしれないなという推測は、私はこの時点でしています。だからといって何もしませんし、それには一切触れませんが、対応できるようにしておくためです。)
場所を示す単語には、よく耳を傾けておく必要があります。
位置関係は、関係性です。
この場合は、クライアントのアウトカムとその人の関係性です。
そして、「中」があるからには「外」があるという推測が立ちます。
また、「中」があるなら、この人生には「形がある」という推測が立ちます。
つまり・・・そう、ラッキー!この人生は、シンボルにしやすい可能性があります!
アウトカムの中に、クライアントが入れたら、そこで「豊かな人生の中にいる自分」というアウトカムは達成できます。(セッションの中では)
まずは、そこにトライしてみてもらうことから、私は、このクライアントのセッションを始めます。
あとは、そこにトライしてみることで、起きてくること次第です。
多分起きます。
だって、人生が嫌、なのだから。
クライアントは、人生と豊かな人生はべつのものだと考えている気配はありますが、一般的に、1人の人間に人生は1つです。
(私の推測)
また、私自身が、英語と日本語のセッションで明らかに違うやり方をしていることが一つあることに気づきました。
私が日本語でファシリテーションするときのポイントの一つは、「望むことば」の見つけ方です。
それを見つけるためには、(クライアントが)望んでいるアウトカムの定義を、頭に叩き込んでおく必要があります。
アウトカムは、
好き
好む
価値を認めている
便利/有益
なものです。
望む言葉は英語では、want/need/would like to/wish/desire/eagerなど割とはっきりした動詞で表現してくれますが、たった10年ではあるけれど、私の経験的には、日本人のクライアントは、この「〜したい」「〜する必要がある」を、ほとんどの場合、日本人のクライアントは、最初から表現はしません。
経験的には、日本人相手にこの表現を待つと、永遠にPROを続けることになります。
私がシンボリック・モデリングを使い始めた初期の頃、それをやっていて、クライアントがうんざりしちゃうのを何度も見ました。
それで、そういう時は、間にリソースを挟み込んで、リソースを発展させながら、PROを続けるという方法をとっていました。
今もクライアントが置かれている状況として、「クライアントさんのリソースが圧倒的に不足している状態」、「自我が顕著に弱いクライアントさん」のPROをするときは、間にリソースを発展させる作業を同時にすることが多いです。
リソースフルなその人を作ることで、その人が「安心して望める状態」を作っていく必要がある場合があります。
また、クライアントは「望んでいるアウトカム」を動詞ではなく形容詞で表現することもたくさんあります。
例えば、わかりやすいものとして「こうなったら嬉しい」、「こうなったら幸せ」、「こうなったら素敵」「これが好き」などです。
嬉しい、幸せ、素敵、好きというような形容詞は、少なくとも想像の中では、「それが起きることが好ましい状態だ(とクライアントは今は考えている)」ということを教えています。
「それが今ここにない」のであれば、アウトカムの条件としては成立します。
好きは、特に目を光らせておく必要があります。
好きで、持っていれば、リソース。
好きで、持っていなければ、アウトカム。
そして、どこかにジェームズが書いていて探したのですが、今、パッと見つからなかったので、私の記憶の中の表現で書きますが、シンボリック・モデリングにおける「あなたは何が起きればいいのでしょう?」の質問の目的の一つは、「今、その人が想像できる、その人が起きたらいい未来を想像してみてもらうことから始める」ことです。
私の頭の中で日本語になっているので、翻訳済みの記事の中のどこかにあります。
以上です!
PROの続きは、先に、ジェームズとペニーの翻訳をして、それから続けます。
どうも、アウトカム以外は、あんまり興味なかったようで、すごい適当にやっとんなと気づきました(私は自分自身がアウトカム志向の傾向が強いです。自分自身も自分の問題にあんまり気づかず、望みとして認知することが多いです。)
レメディとプロブレムを説明するのにあんまり好奇心が湧かなかったのです。
これはいかん!ということで、先に、翻訳してきます。
翻訳は、クリーン実験室でシェアしてますので、よかったら覗いてみてくださいね!