DAY13: 練習するときに気をつけること。

 ファシリテーションの練習をするときに注意する必要があること。


自分がファシリテーターをしているときに、以下のような発言を口にしないこと。


わからない。

間違えた。

違った。

難しい。

だめだ。



つい、うっかり口にしてしまう気持ちは理解できます。

最初のころは、さっぱりわからないこともあるかもしれません。

わからない自分に焦る気持ちもわかります。

難しい...そうですね、最初は難しいかもしれません。


けれど、それは、あなたの持ち物です。

クライアントの言葉ではありません。

クライアントのランドスケープに、あなたのわからない、間違えた、違った、だめだ、が介入します。

しかも相手はあなたと同じ、練習中の人です。


すると、何が起きるでしょう?

考えてみてください。

クライアントには、あなたの言葉は、どう聞こえるでしょう?


なぜ、クリーンな質問は、ファシリテーター自身の言葉の介入を、できるだけ少なくするように作られているのでしょう?


サイコアクティブな状態は、どんな状態だったでしょう?


少し、復習してみると、助けになるかもしれません。

メタファー・ランドスケープの話に入ったら、あなたは、相手を待たせていると焦る必要がないのだということが理解できるかもしれません。



偉そうに書きましたが、これは、私自身がジェームズから最初にされた注意です。

あの方、割と厳しいので、もう少し、そっけない言い方で「それは、クライアントには関係ない」と切り捨てられました。

それに比べると、私のは、ずいぶん、優しいし親切です(自分で書いておこう。笑)


.....


これは、どちらもが、ファシリテーターか、学習中で、互いに練習しているとわかっている時もです。


そういう時は、相手に「一度、止めてもいい?」と問いかけてみるといいかもしれません。


やり方はいくつかあります。


セッションを止めた後、相手に少し待ってもらって、自分の書いたノートを確認して考えます。

この際、相手とは口を聞きません。

自分ひとりで考えます。

これをミュージング(muse)といいます。

そして、それからセッションを再開します。


もしくは、相手に頼んで、今現在のメタファー・ランドスケープを絵に書いてもらってください。

それでもわからならければ、相手に「今、何について問いかけて欲しいか」を聞いてください。そして、そこから再開します。



また、いい間違えたことに気付いたなら、さらっと言い直してください。



他にもやり方はありますが、今浮かんだ、文字で説明できるのはこの3つです。


互いの学習に、互いがリソースとなるような練習の仕方を、あなた自身が編み出してみるのも面白いかもしれません。


また、ただ、だらだらセッションをする練習を何回繰り返しても、うまくはなりません。

私のおすすめは、セッションをはじめる前に、「今日は、自分はこれを練習する」とはっきり決めて、相手にもそれを伝えてからセッションをスタートすることです。


例えば、


今日はいろんな種類の質問を使い分ける。


今日はシンタックスを使い分ける。


今日は、声を工夫してみる。


今日は、キャリブレーションをしっかりする。


今日は、ペーシングに気をつける。


今日は時間を動かす練習をする。


今日は関係性により注目してみる。


今日は、このモデルを練習する。


今日は、このパターンを練習する。


今日は、この構造に注目してみる。


今日は、問題から先に発展させる。(初心者はこれはおすすめしません。リソースで、徹底的に9つの質問を練習することをおすすめします。)


いろいろあります。


どこまでやるかは、その人次第ですが、練習材料は果てしなくあります。

あなたの練習の意図を、クリーンに、相手に開示してからスタートすると、相手も、練習に協力しやすくなります。


出してもらうお題も、工夫できますね。


楽しく練習するために、お試しを。

上達する喜び、できた!感覚を味わいながら、少しずつリソースを増やしてください。


忘れないでくださいね。

練習は、できた喜びを味わうためにするもの。

できないからするもの。


ひとつずつ、できるようになれば、それでいいんじゃないかなと思います。


練習は、できない自分に落ち込むためにするものではありません。

できるなら、練習する必要はありません。