シンボリック・モデリングのトレーナになる方法:長い眠りから覚めたお姫様

 「試行錯誤(try and error)」って言うでしょう?
私たちは、そういう考え方はしないの。


「クリーンランゲージには失敗はない」という言葉は知っていた。
そして、実際、失敗はない。
正しいも間違いもない。(たまには、根本的に本格的な間違いはある。でも、それは、失敗じゃない。)

うまくいかないことはある。
効果がなかったこともある。
次に何を聞いていいか、わからなくなったこともある。

でも、それは、間違いでもないし、失敗でもない。


けれど、どうして、「クリーンランゲージには失敗がない」のか、私は、今日、初めて説明できるようになった。
冒頭の言葉の後に続いた彼女の説明を聞いて。


そして、これを、自分は、最初の最初に説明する必要があるなと思った。
どこで、ですか?

とりあえず、ここで。
シェアしたからといって、私の持っているものが減るわけでもないので。
そして、おそらくは、これは、まだ日本語にはなっていないだろうことだと思うので。


なぜ、失敗がないのかといえば、それは、そこにあるものが試行錯誤ではなく、「試行とフィードバック」だから。

自分がしたことに返ってくる反応、応答。結果。
そして、たとえ何かうまくいかなかったことがあっても、その人は、そこから学ぶことができる。

だから、そこには、間違いも失敗もない。
全ては、フィードバック。

そして、フィードバックから、何かを学べばそれでいい。
だから、失敗はない。

うまくいかなかったという事実と、何かそこに学ぶべきことがあるだけ。

そういう考え方。


(そもそも、クリーンランゲージでは、その人が抱える症状も、その人が問題をなんとかしようとした最善の努力の結果、と捉える。)

・・・・・

私は、「シンボリック・モデリングのトレーナーになる方法を知りたい人がいっぱいいるみたいなんですけど。ブログに書いたら、ありえない数のページビューになって、多分、それは日本語だけで読まれたのではないと思う」と言った。

彼は「トレーナーを育てる<トレーニング>がしたいなら、君が、自分でやりなさい」と言った。

話には、すごいオチがついた。
自分たちは、型にはまったトレーナーを生むつもりはない、と言った。
やりたい人はそうすればいいが、自分の仕事はそれじゃないと彼は言った。

全員、違う。

一人ひとりに必要なことが違う。だから、形は作らないと、彼は言った。


そしてそれから彼は私に、「君はどうやって、自分がトレーナーになる準備ができたことを知るの?」と質問した。

....

私は、「最高の状態のトレーナー」のメタファーを、今日、手に入れた。

正しくは、それはまだ完成形ではなく、「そのメタファーは、やがて、別のものに名前が変わると思う」と私は言った。
それは、今まで寝ていたものが起きただけのメタファー。

そして、そのメタファーには、トレーナーになる方法について、私と違う意見があった。
そして、彼は、「自分もそのメタファーの意見に賛成だ」、と言った。

それから、自分たちが、トレーナーを育てる時にしていることを教えてくれた。

それは、型にはめたトレーニングではなかった。

そして、私は、そうとは知らずに、すでに自分からそれをお願いしていた。

そして、生まれたのがそのメタファーだった。


そして、会話の中で、私は、自分がトレーナーになりたいわけでもないことを知った。
トレーナーは一部に過ぎない。
(そもそも、誰か登場するまでやろうとしているだけのことでもある。そして、私がしたいのは、あくまでシェアだ。トレーナーは名称としてわかりやすいけど。)

私は、自分がやりたいことを、自分の口、正しくは、その新しく登場したメタファーが語るのを聞いて、「まじか!」と思った。

それが、とても自分にできると私には思えないが、そのメタファーは、「できる」と信じていた。そして、ずいぶん前から、それを計画していたらしい。
計画して少しだけ準備をさせて、それから、そのメタファーは、長い長い間、寝ていたらしい。
今、計算してみたが、そのメタファーはなんと20年以上、私のお腹の中で、すやすや眠っていたらしい。


メタファーとは、寝るものらしい。
そして、それは、働きたくなったので、私の体から出ていったらしい。
しかも、私を騙して、だ。

そんなメタファーがあることを、私は今日、初めて知ったが、そのメタファーは、自由に意見を言うために、まず、私を騙して、先に私の体から出ていったのだ。
そして、まず、そのメタファーは、私の体の皮膚の上を自由に歩き回り、それから、私の目の前に立った。
そして、そのメタファーは、「働きたい」と言った。

(私は、それで、また、自分の「知覚者」に対する認識を改めることになった。そんなメタファーがいるなんて、聞いたこともなかったから。)

そして、私は「メタファーは生き物」の意味が、本当に、お腹の底からわかった気がした。
あれは、生き物以外、何物でもない。
私が私と思っている私とは、別の意思を持っている。

けれど、私、だ。


やがて、それは違うメタファーになるけれど、今はまだ、長い長い眠りから覚めた姿は見えない透明のお姫様が、大きく伸びをして、大きなあくびを一つした気がした。



どうでしょう?
この話は、誰かの未来の参考になるでしょうか?