DAY10: キラキラ星変奏曲。ルールは原則であって、法律じゃない。

昔、「24時間、頭の中を音楽が流れている人」と、私のことを言った人がいた。


デイビッド・グローブは、クリーンランゲージで使用する繰り返しのことをバッハの変奏曲だと言っていた。


それを書いてあるところを読んだその瞬間、私は、「わかった!」と理解できた気分になった。

メタファーの力は偉大だ。


音楽を奏でるように、質問すればいい。


それから、ペニーとジェームズのしたセッション記録をいくつか読んだ。


すると、私の頭に、シンボリック・モデリングはバッハじゃない、こっちだ、と浮かんだ曲がありました。


まだ20代の日本人のピアニストが作った曲です。昔、モーツァルトも同じものをテーマにしていました。



キラキラ星変奏曲。


https://youtu.be/L2f6Mi7I5lY



この中のレベル1が、基礎コースで習うことです。


レベル2-7は、レベル1が弾けなければ弾けません。


主題はレベル1です。

しかし、レベル1は全てではありません。



クライアントと共に奏でることができる音楽には、豊かなバリエーションがあります。



ちなみに、誤解が蔓延しているようなので書いておきますが、シンボリック・モデリングでは、問題も取り扱います。


私は、「問題について問いかけてはいけない」とは習いませんでした。

日本語でも聞いた記憶はありません。

「アウトカムについて聞け」とは、日本語で聞いたことがあります。

アウトカム志向の技法ですのでね、そりゃそうですね。


アウトカムについて聞く、は、問題については聞かない、とは違います。


「私は、一度もそんなことを教えた記憶はない」と、私の英語のトレーナーのみなさまも言っていました。


ただ、彼らは、日本向けのトレーニングもしたことがあり、日本のファシリテーターが、問題について問いかけるのを避ける傾向があることには気づいていました。


「臭いものには蓋をする文化」の影響でしょうか?


シンボリック・モデリングは、アウトカム志向の技法で、その人が望む結果に注目します。


だから、「最初は」、練習では、問題を扱わない。

なぜかというと、難しいから。

トレーニングの安全性を確保するためでもあります。


そして、ファシリテーターが、アウトカムに注目できる状態を練習するためです。

それが自然にできる人はほとんどいないらしいからです。


私の理解では、ファシリテーターは、必要があるものになら、それを問いかけることがクライアントに価値あることなら、何についてでも問いかけることができます。


一番価値があるのは、アウトカムやリソースだろうというだけの話です。

しつこいようですが、アウトカム志向の技法だからです。


だから、レベル1では、まず、1番簡単なリソース、次に、アウトカムから話を始めることが一般的です。




さて。

本日は、PR2Oフェスティバルの第一夜です。


私、まだ、本日使う動画を編集しています。

ペニーとジェームズが、私も聞いたことがなかった話も含めて、語ってくれた動画からはじまるフェスティバルのため、間に合わせる必要があります。


まあ、間に合います。

私は、ギリギリまで、最高の状態の翻訳を考え続けたいだけです。


土曜日には、リハーサルのフィードバックを受けて、プログラムを入れ替えました。

間際で、当初、しっかり書き上げてあった台本は、私のパートは白紙になりました。


パートナーは、「好きにやったらいい」と笑っていました。


今朝、頭の中をキラキラ星変奏曲が流れはじめました。

これは多分、今夜までに、また少し構成が変わります(笑)



今日の私にできる最高のものを。



レベル1のみなさんに。

それから、ファシリテーターのみなさんに。

学び直しのみなさんに。


レベル1にレベル3くらいの世界を覗く体験をしてもらうその方法を、私の頭は、今、必死で考えています。


だってね、確実に、面白いんで。

レベル3が見せてくれる世界は。



今夜のプログラム自体は、マリアンが考案してくれたものをベースに使います。


なぜ、マリアンが、私に、問題から話をスタートするように勧めたのかは、リハーサルのフィードバックで理解しました。


マリアンは知っています。

日本のファシリテーターが、なぜだか問題について問いかけることを避けるのを。


世界の誰もやらない問題から始めるプログラム(笑)


初心者に対しては、リソースから話を始めるのは、鉄板です。

大丈夫なんですか?と、さすがの私も、聞き返しました(笑)


彼女が、なぜに、私にそれがファシリテートできると思ったかは知りません。



でも、やっちゃうんだな。



リハーサルのフィードバックを受けて、私は、かつてM先生から習ったある方法を引っ張りだしました。

それから、それを、フォーカシングのテクニックのひとつにはめ込みました。


そして、それを、安全対策として使うことにしました。


それは、クリーンではありません。


私の目に、ポートランドで見た「今のはクリーンじゃなかったわね。だから何?」と、ニヤリと笑ったマリアンの顔が浮かびました。



クリーンじゃないことから、クリーンをはじめる。だから何?

デイビッド・グローブだって、クリーンじゃないことをいっぱいやってる。


リソースじゃないところから始める、だから何?



大事なことは、クリーンかどうかじゃない、人をサポートできるかどうか、です。


クリーンに効果があるから、クリーンにやるだけの話。

クリーンランゲージのいいところは、他の

技法とコラボレーションしやすいことです。


シンボリック・モデリングのルールは法律ではなく、破ったところで、大したことはありません。

作った本人が、そう言ってました。

誰が一番ルールを破るか、それはトレーナーの皆さん方。

あの人は、ルールは破りまくります。

破るというか、最善を試し続けています。

その時思いつくクライアントにとっての最善を選択しているのだと思います。


彼らが組む構文の組み立てに、同じものはありません。

レベル1で習う構文の組み立ては、入り口でしかありません。


でも、一番大事なものは、レベル1でもあります。

いつでもそこを流れるメインテーマは、クライアントが望んでいる結果。


私は彼らの生徒です。


だから、私は彼らから習ったことを、やります。


私が、彼らから教わったこと。


自由にやれ。

常に意識的に、常に最善を試せ。

やってみるまで、君は何も知らない。

常に、モデリングしろ。

魔法使いになろうとしなくていい、ファシリテーターでいろ。



そしてまた、私の頭の中をキラキラ星変奏曲が流れました。


さあ、何が起きるか見てみよう。