話の出どころ。そこには、必ず、目的がありますか?
ドラフト。
誰かが何か計画を話していて、「目的は何?」と知りたくなることはありませんか?
または、誰かの話を聞いて、なんかすっきりしないな、とか、裏があるんじゃないの?とか感じることはありませんか?
そういう時に、割と便利に使えるスマートなクリーンな質問があります。
「その〇〇はどこから来ているの?」
「その〇〇は、どこから来ていますか?」
「その〇〇は、どこから来ているのでしょう?」
「その〇〇はどこから来ていると言えるでしょう?」
Where does that [X] come from?
Where could that [X] come from?
文末は、相手と自分の関係性や、その会話が行われている文脈(ビジネス、プライベート)で変化させてください。
セッションやコーチング、メンタルに関わるファシリテーションの文脈の時は、シンボルやメタファーに対して、「その〇〇は、どこから来ますか?」がいいかもしれません。
日常会話の中だと、これは妙なので、よっしゃ聞いてやるぜ感がありありと出ますので、おすすめできません。
いやでしょ?
誰かから、よっしゃ聞いてやるぜ(自分が知りたいから)!と、質問されるのは(笑)
この質問、クリーンランゲージ関係の技法の初心者コースの最初には登場しません。
しかし、この質問は、日常会話の中では、割と大活躍します。
だから、書いてしまおう(笑)
この質問はまた、クリーンな質問や、クリーンアプローチについて、説明しやすい質問でもあるからです。
この質問は、メタファーやシンボルの源や出所、つまりソースを確認する質問ですが、普通の会話の中でも機能します。
それを、何?とは尋ねないで、どこ?と場所で尋ねています。
日本語だと、話の出どころと言ったりしますね。
話が始まった場所のこと。
目的、動機、願いそういうものは、どこか場所(空間)にあるという比喩的表現は、世界共通なようです。
この世界共通、人類共通なメタファーのことを、ユニバーサル・メタファーといいます。
ユニバーサル・メタファーには、他に、時間などがあります。
さて。
「その〇〇の目的は何?」と「その〇〇はどこから来ているの?」の違いは、前者は概念的で、後者は、メタファー的な文章というところです。
そして、〇〇の出どころは、目的だという前提がないことです。
誰かが何かするのには、必ず、目的があるとは限りません。
動機があるとも限りません。
理由は、願いかもしれない。
または、単に、過去の記憶につき動かされているだけかもしれない。
本人は、把握していないかもしれない。
クリーンな質問は、質問の中に含まれる前提条件を可能な限り最小限にしてある質問のことです。
今回ご紹介のこの質問は、その中のひとつです。
場所というメタファーを使っています。
話の「出どころ」という言葉もありますから、人間は、話が始まるきっかけや目的を、場所として捉えることがあるようです。
そして、もう一つ。
クリーンな質問には、大事な条件があります。
それは、「ない」という答えが可能なことです。
「その〇〇の目的は?」と尋ねるこの質問には、〇〇には〈目的〉があるという前提が含まれているのにお気づきでしょうか?
「その〇〇はどこから来ているの?」にも、どこかから来ているという前提があるじゃないかという話になりますかね?
それは確かにそうです。
けれど、どこは比喩的で、〇〇の出どころを目的に限定はしていません。
より、答えの幅は広がります。
誰もが自分の中に持つ自分の前提の影響をなるべく少なくしてある質問は、考える側、答える側に影響します。
実際、これは経験的に感じていますが、クリーンな質問で尋ねた時の方が、クリエイティブな答えが返ってくることが多いです。
私は、本日ご紹介のこの質問を、サラリーマン時代に知っていたかった!と思いましたので、ご紹介してみました。
そうしたら、もっといい上司でいられたという過去の後悔が、この記事がどこから来ているか?です(笑)
他にもいくつかあります。
例えば、世代間の価値観の違いが大きい人々の間にはさまって働く、団塊ジュニアの中間管理職のみなさんに、まじで、クリーンランゲージ(クリーンな質問、クリーンなアプローチ)はおすすめです。