「最初に習う」12の質問

 


私の心に、すごく印象に残っているやりとりがあります。


ある日、クリーン・ファシリテーター仲間と話していたときに、その人が言いました。

「こんなことを、こんな質問を使ってみたの。クリーンじゃないかもしれないけど」


私は、言いました。

「それ、普通にやりますよ。その質問は、クリーンです」


ファシリテーター仲間は言いました。

「えっ」




この「えっ」は、ここまで私を動かしてきた理由のひとつです。

その「えっ」は、私の耳に残りました。



そして、最初にどう説明すれば、その人が先に進んだときに、「えっ」とならずにすむのだろうと、私は考えはじめました。



「これはクリーンな質問ですか?」という質問自体は、いろんな場所でよく耳にします。


そこに対する答えは「クリーン」「文脈的にクリーン」「クリーンではない」ですが、いきなり「クリーンではない」と言われている人を、私は見たことがありません。


私が聞いても、「そりゃ、あかん。決めつけが入ってる」とわかるような質問にでも、先生たちは、必ず、「あなたが今使ったその質問は、どこから来たの?」と先に問いかけます。


その人がその質問をした意図を、先に確認します。それから、説明します。


よほど明らかに違うときは違うと言いますが、私が耳にした多くは「私の考えでは」という前置きをして、それから、先生たちが自分の見解を話すというスタイルでした。


シンボリック・モデリングを作った人たちも、これは同じです。

自分が作ったモデルなのに、それでも、「自分の考えでは」と前置きしてから、彼らは話します。



コミュニティの中で学ぶ人たちには、実にチャレンジャーな人もたまにいて、「それはどこから来たの?!」と、もうびっくりするようなオリジナリティを発揮するのを見ることもあります。


まあ、だいたい、「それは、誘導。それは、あなたがやりたかっただけね」とかいうことになるのですが、私は、そういうのを見ると、実に創造的だわねと、毎回、楽しいなと思います。



そして、クリーンランゲージの質問は、12個だけではありません。

これを覚えといたらなんとかなる、というのが、基本の12個です。


ほとんどは、基本の質問の中の4つ、5つで話はすみます。

セッションの8割はその質問でできます。

けれど、質問自体はたくさんあります。


そこにその時、そのクライアントにだけ有効な「文脈的にクリーン」な質問が入ってきます。


質問は数限りなくございます。

クリーンランゲージを使う用途によっても、違いはあります。


でも、12個を覚えてないとどうにもならん。


そういう12個が、最初に習う12個です。


あくまでも、「最初に習う」12個です。


そして、一番よく使う12個です。