It doesn’t work well for the client:あなたはこの文章をどう翻訳しますか?

 

ここ数年、なぜだろう?そこで何が起きたのだろう?と、私が考え続けてきた事があります。


私が、考え続けた理由は、その理由を私がつきとめない限り、自分自身が、安心して、日本語で、クリーンランゲージをシェアできないと考えたからです。



そして、数年、私はリサーチを重ね、たどり着いた結論があります。

私は過去に、日本でクリーンランゲージを学んでいた人、25人からセッションを依頼された経験があります。

ほとんどの方と、私は、その一回だけ、お会いしました。


依頼されたのは、学習のためのクリーンランゲージです。

クリーンランゲージを学習し続けていくために、その人たちには、クリーンランゲージでのセッションが必要でした。



先に書いておきたいのは、私は、誰のことも批判はするつもりがありません。


ただ、先週末、同じ勉強会で学ぶクリーンファシリテーター仲間たちのひとりが口にしたことを聞いて、ああ、早く書けばよかったと思ったのです。

その人は、今、みなで学ぶ魔法使いの知識を聞いて、ああ、と自然にそこにたどり着いていました。


それは、過去にも、私が自分の解釈を話した時に、「ああ、そういうことか」と、何人かが楽に学べるモードに変わった時に口にしたことと、同じ内容でした。



知識の上書きでも、事実の確認でも、同じことは起こりますが、誤解は、早いうちに解消した方が楽しく学習できます。

私は、知識の上書きは、まだお手伝いはできませんが、事実の確認ならば、私にもお手伝いができます。


私の実体験をシェアします。



それですでに、日本語で、クリーンランゲージ&シンボリック・モデリングを知っているに人たちに、「これ、訳を考えてみてもらいたい」と思う英語がいくつかあります。


英語を話す魔法使いたちから、私が直接、聞いたことのあるフレーズです。



a) It works well for the client.


b) It doesn’t work well for the client.


c) The useful and powerful way of using Clean Questions for the client.



この三つ、私が、日本語だけでクリーンランゲージを習った日本人のクリーンファシリテーターの人と話す時にも、非常に頻繁に、日本語で登場します。

ただし、訳は、私の解釈とは異なります。


a.bは、クリーンフィードバックでも使用します。

3つに共通することは、for the client、クライアントにとって、です。

大事なものは、クライアントにとって、です。



私が、クリーンランゲージには間違いはない、下手くそはいない、と言い切るのは、ファシリテーターの出来不出来と、クライアントにとっての効果が必ずしも一致しないのを、なんども見てきたからです。


大事なことは、クライアントにとってで、それ以外の他の誰かにとって、という話ではありません。

ファシリテーターにとってという話でもありません。


私がabcのフレーズ3つの話が登場する時、たまに感じるのは、この、クライアントにとって、という推測の目線が、お留守になっていて、目線がファシリテーターその人の感情に向かっているような感覚です。


あくまでも、私の視点からみて、ではあります。



実際、私自身も一度、魔法使いから淡々と言われたことがあります。

セッションのオブザーバーとして、魔法使いはそこにいました。

セッション後、フィードバックの時に、私は、「あまり上手に出来なかった」と、言いました。


その頃、自分が正しくうまくできるかどうかは、私にとって、非常に重要だったのです。


トレーニングの場でしたから、そこにはクライアントもいました。


魔法使いは言いました。

「それは君の問題であって、クライアントには関係ない。

君がうまくできたかどうかは、フィードバックじゃない。単なる君の感想だ。

クライアントの前で、それを言うことで、クライアントには何が起きる?」


それから、魔法使いは、にやりと笑い、私に、もう一度尋ねました。

「さて、何がクライアントによく作用した?」


私は答えました。

「何が起きればいいの質問の主語を、youからシンボルに変えたこと。エビデンスは、5年間も動かなかったシンボルが、その質問で動いたこと。そして、セッション後、クライアントがそのことで、私に抱きついてきたこと」


魔法使いは笑いました。

「そう。それは、フィードバックとエビデンスだね」



私は、そこで、私の中の日本語訳を更新しました。



私の3つのフレーズの訳は以下の通りです。



a) それは、クライアントによく作用している。


b) それは、クライアントに作用していない。


c) クライアントに有益でパワフルなクリーンな質問の使い方。




あなたにとって、abcは、どのように訳せますか?


翻訳は誰が訳しても、翻訳にすぎません。

そこには必ず、翻訳者の視点と価値観が入ります。


あなたの視点と価値観で、abcを訳すなら、あなたには、それは、どのように訳せますか?



なお、最初に、日本語のクリーンランゲージの本を翻訳してくれた、日本にクリーンランゲージを紹介してくれた人に、私はものすごく感謝しています。


また、数年前に、自身の理解で一から学び直すと決めたため、もう持っていないのですが、最初に私が目にした日本語のクリーンランゲージのテキストを作成した人にも、深く感謝しています。


違う文化で生まれたものを、日本語に翻訳するのがいかに大変かは、私はよく知っています。

翻訳には誤訳以外は、正解も不正解もありません。

腐っても、私は、英文科出身です。



その上で、私は、質問を投げています。

クリーンランゲージが文学ではなく技法だからというのがひとつ。

議論が日本語での技法の精度をあげ、より洗練させると信じているからです。


もう一つ、今、私にできることは、これだ、と判断したからです。



あなたなら、この三つ、どう翻訳しますか?