10年かけて見つけた言葉

 

ああ、ようやく、言葉が見つかった。

今朝、私は胸を撫で下ろした。


私は、最近、初めてまともに、魔法使いのひとりに、自分のキャリアを語った。


そして、「私は、自分の経歴やキャリアを誰かからの信頼を得たり、人間関係を作るのに使うのが嫌いだ。なぜなら、私にとって、人間関係とは、もっと血が通った温かいものだからだ。だから、今まであんまり語らなかった」と伝えた。


私が、魔法使いに、自分のキャリアを語った理由はただひとつ。


今から始まることの中で、自分がやるべき役割は、どう考えても、そのキャリアが活きることだったからだ。


そして、メンバーの中で、おそらくは、それが一番上手なのも私だろうと思えた。


そもそも、自分が言い出した話である。

そこに、すぐ、協力しようと、すぐ、本当にすぐ、動いてくれた人がいた。

その企画は、彼女の存在がなければ、無理だった。


信頼して、大事な話を託せる人が、必要だったのである。

みんなの夢を公平な平和的な目で眺められる人が必要だった。


そして、魔法使いは話に乗ってきた。


最初の全体ミーティングのあと、私は、自分が企画の中で負う役割について考えた。


そして、魔法使いに、メールを書いた。

自身がやろうと思っている役割。

そして、自分がここまで、どんな仕事をしてきたのかを初めて語った。

なぜ、自分は、それをあまり語らないのか。


私は、人を肩書きで見る人種が大嫌いだからである。

私には、それは、人との関係において、何の役にも立たない。


肩書きで近づいてきた人たちに対する嫌気を、私は過去に味わったことがある。

私の肩書きは、割と強かった。

けれど、そこには、他人が自分を、人間として見ていない虚しさが少しばかりあった。


そして、私の肩書きがなくなった瞬間に、手のひらを返した数人がいた経験も持っている。



そして。


先日、魔法使いは言った。


しばらくしたら、連絡します。

プロジェクトを動かしてるから。


そして、私の体が動いた。


私に、はじめて、そのホームページは、何のためのホームページなのかが理解できたからだ。


そして、今までどうしても見つからなかった言葉が見つかった。



この何でもない言葉に気がつくまでに、私は10年費やしたのかと、思った。